18 daakunesuhart(素人感)
「なあ、俺も少しくらいなら負のエネルギーを集めるの、手伝ってもいいぜ。」
「どうしたリュウト、なんか気持ち悪いな。」
「人がちょっと乗り気になったって言うのに、そこまで言うかね?」
スマイルイエローが負のモンスターを倒し、また1つの新しい正義の味方が現れているのをよそに、たわいのない口喧嘩を繰り広げいた冬先琉斗とウルフェンであったが、その日の夜に冬先がウルフェンに協力的な発言で、ウルフェンはあっけにとられた表情になった。
「だってお前、いつも家でゲームをつまんなそうにやってたり、寝てるだけじゃねーか。」
「・・・お前、最近ふてぶてしくなってきてない?」
「まあ、そう言うなら明日魔界に行くから付き合えよ。」
「俺の言葉はスルーかよ。・・・まあいいよ、明日学校あるからその後な。とりあえず俺は寝るわ、おやすみ。」
そう言って冬先は自分の部屋の照明を消して、ベットで寝始めた。
「ああ。」(なあリュウト、あの時、俺を助けにわざわざ走って戻ってきてくれんたんだろ?別にリュウトの助けが必要だったかって言われるとそうでもなかったが、俺はなんか嬉しかったんだ、ありがとよ。・・・・なんで口で言えねえんだ?初めてだぜこんな感覚・・・・・やめだやめだ!俺らしくねえ。)
素直に感謝できない自分に困惑するも、これ以上は考えたくなかったのかウルフェンも寝た。
「・・・よし、人も周りにいないし、行くか。」
「おう、・・・そういやなんで魔界に行くんだ?」
次の日、学校から帰ってきた冬先はウルフェンと魔界に行くためにいつもの公園に来たのだが、なんで魔界に行くのか分からなかったのでウルフェンに尋ねていた。
「ある物を取りにいくためだ。」
「ある物?」
「ああ。ダークネスハートと言ってな、人間の負のエネルギーを貯めることができるものだ。」
「は~ん・・・・え?、今なんて言った?」
ウルフェンの答えに冬先はそれとなく聞いていたがウルフェンが放ったある固有名詞に衝撃を受け、それは冬先にとって「ウルフェンがそんな事を言うのか」という疑惑を持ちながら「聞こえたけど、もう一度その口から言ってほしい」という複雑な気持ちだったので、冬先は再度ウルフェンに尋ねた。
「?、ダークネスハートだが?」
「そ、・・そうか。」
「???、そっちの方になんかあんのか?」
ウルフェンは再度ダークネスハートと答えに対して冬先はウルフェンとは視線を合わせずに明後日の方向を向いていた。
なぜ冬先がウルフェンとは全く見当違いの方向を向いているのかというと、今の冬先の顔が笑いをこらえるのに必死でニヤリとしていたからである。
(アイツ、今・・平然と、フフ、いかん、笑う。だってウルがあんな真顔で言うとか・・・フフ、いかんいかん、)「あ~~、空が綺麗だなあと思っただけだ。」
「何言ってんだお前・・。つーかなんで変身してんだよ。」
冬先は咄嗟に思いついた嘘でごまかすも変身して顔に仮面がついた状態でウルフェンと顔を合わせていた。
それもそのはず、冬先の顔はまだニヤリとしていた為、仮面を付ける事で今の自分の表情をウルフェンに悟られないようにしたかったからだ。
「そらー・・・アレだ、魔界で俺の正体が人間だってバレると面倒だからに決まってんだろ。」
「ああ・・確かにそうだったな。だが前は結構恐ろしい感じで言ってみたが、考えてみりゃあジェンダーさんのように人間と似たような感じの方もいるわけだし、問題ねえとは思うがな。」
「え、そうなの?・・・まあほら、念の為だよ念の為。」
「まあ、それもそうだな。」
「そうそう。」(正直まだ笑いをこらえきれてないから、仮面を付けてたほうがいいしな。)
冬先はホッと一安心する。
「じゃあそろそろ行くぜ。」
「ああ。はやく用事を済ませて家で休みたいぜ。」
「どうせガッコウとかでも寝てんだろ。」
「ああ?さすがの俺でも学校で半分くらいは起きてるわ。」
「半分は寝てんじゃねーか!!」
こうして2名は魔界へのゲートを作り、ダークネスハートを手に入れるために魔界へと向かって行った。




