13 三幹部会議
こんな投稿ペースぐだぐだの小説にブックマーク登録10人もしてくれのか?!
本当に感謝しています。
ただ今回は琉斗の出番はないです・・・・。 あと、タイトル付ける事にしました。
「おい、もう1度、魔界へ行くぞ。」
「やだ。」
「即答かよ。」
スマイルハピネスと負のモンスターの戦いから次の日、冬先琉斗が学校の補習を受けて下校した後、ダラダラしようと自分の部屋のベットで寝転んでる最中に来たウルフェンの提案を琉斗は即否定した。
「いいか?ウル。俺は今とても疲れている。だから魔界に行く体力もないから行けない。だから今日はダメ。」
「そんなの30分もそこで寝てりゃ回復するだろうから、その後で行くぞ。」
「いや~俺は1回疲れてしまうと12時間は休まないと回復しない体質なんだよ。」
「あ?ならなんで昨日は同じ様にそこで寝てたくせに晩ご飯の時は普通に動けんだよ。」
「・・・・チッ。」
琉斗の嘘がウルフェンに簡単に論破され、琉斗は思わず舌打ちをした。
「リュウトお前、行く気ねーだろ。」
「だって、めんどくね?」
「だがお前がいねえと、俺も魔界に行けねえんだよ。」
「ああ、たしか魔界行くためのゲートを作るのにウルのエネルギーだけじゃ行けないんだっけ。ならさ、土曜日か日曜日ならいいよ。俺も休みだし。」
琉斗は明らかに、今日は魔界に行こうとしなかったという意思をウルフェンは感じ取っていた。
「それだと今日は、前にお前が言っていた水曜日とやらだ。土曜日までに退屈なくらい時間がかかる。待てねえわ!」
だがウルフェンはそれでも諦められなかった。しかし、ウルフェンも今日は絶対に魔界に行くという気迫があることを琉斗も又、感じ取っていた。
それをお互いが知っているせいか、一向に結論がでず、無駄な口論によって只々時間だけが過ぎていった。
そんな中、魔界では、ある一室で重要な会議が開かれようとしていた。
その一室に男が扉を開けて入る。
「やあ、やはり君は早めに居るんだね、バーラ。」
円形のテーブルに座っている女性に話し掛ける男の名はナイトメア。以前スマイルハピネスと負のモンスターの激闘を傍観していた者、そして以前のサッカーゴール型の負のモンスターを生み出した元凶である。
「当たり前でしょ。寧ろ時間ピッタリに来るあなたの癖、どうにかならないの?何かトラブルとかで遅刻したらどうするの。」
反応した、美しい女は三幹部の内の1つバーラ
「そこは大丈夫さ。こんなに美しいボクが失敗する事なんてないからね。」
ナイトメアはバーラからの注意を真に受ける事なく、笑顔でとても自信に満ち溢れた返事で返した。
「それよりも君は、もう少しリラックスしたらどうかな?そんなに張りつめた顔だと、君の美しさが台無しだ。まるで美しい花に棘でも付いてるようだ。」
ナイトメアは3つある椅子のうちの1つに座った後、バーラを見ながら、セリフだけで言えば口説いてるような事をバーラに言う。
「結構です。魔界が大変な事になってるのに、どうしてそんなに余裕があるんですか。」
「それはボクみたいにイケメンで美しい者はどんな時でもスマートでいられるからさ。君もそうなれる。」
バーラが真面目に注意をしても、ナイトメアはポジティブに返す。
「はあ、大体さっきからあなた、私を口説いてるんですか?」
バーラはイライラしてきたのか、さっきから気になっていた事を質問した。
「ん?ああ、誤解しないでくれ。僕は只々、美しいものが汚れていくのを見たくないだけなんだ。ま、君がボクに見惚れのは、ボクとしても嬉しいけどね。」
しかし、ナイトメアは否定した。しかもその言葉に照れ隠しや嘘など微塵も無かった。
彼は、彼自身の思いを率直に述べたにすぎなかった。
「フン!別に私は貴方に好かれようなんて思ってないです。ただ貴方がいつも通りの、美しい物好きの自分しか愛さない変な奴だなと思っただけです。」
バーラもナイトメアからの口説いているようなセリフに取り乱す様子もなく、逆に淡々と毒を吐いた。
「ん?どこが変なんだい?だって誰がどう見たってボクの容姿は世界で一番、美しいだろ?」
しかしバーラからの毒に取り乱すこともなく、寧ろナイトメアは、バーラの言葉を肯定したような返事を聞いて、バーラは片手で頭を抱えて溜息をついた。
「それより、あのノロマはいつまでボクを待たせるんだ?」
イライラしているのか、いつの間にかナイトメアが机に対して人差し指でトントントントンと叩いている。
「どうせまた、危ない所で寝てるんでしょう。・・・・いつも通りなら、そろそろね。」
バーラが言い終わると同時に、バーラ達が居る魔界の城の外で砲弾が落ちてきたような鈍い音がした。
その数十分後、バーラ達のいる1室に、全身が砂まみれで髪がボサボサの汚れている男が入ってきた。
「よお、もう話し合いは終わったか?終わったなら、部屋に戻って寝たいんだがよ。」
「「まだ終わってねーよ!!」」
汚れている男に対して2つの幹部が声を揃えて怒った。
「何だお前ら、仲良しか?」
汚れている男は怒られていても、まるで気にしてない様子だった。
「まったく、君はどうしてそんなに美しくないんだ?髪もボサボサで汚いから、僕の視界から消えてくれないかな、ジェンダー?」
ボサボサ髪で砂まみれの男、またの名を三幹部の内の1つ、ジェンダーに対してナイトメアが煽る。
「仕方ねえだろ、さっきまで寝てたから寝癖直さずに急いで来たんだからよ。つーか、お前の視界から消えるって事は、俺は部屋に戻って寝てのいいか?」
それに対してジェンダーは怒る事もなく、ダルそうな雰囲気で喋る。
「駄目です。一応あなたも三幹部なんですから、ここに残って下さい。・・・ていうか、急いで来たと言うなら走って来なさいよ、あなたが来るまで全ッ然!走る足音が聞こえなかったんですけど?」
バーラは厳しい目線でジェンダーを睨み付けながら注意した。
「起きたばっかりだと走る気分になれねーだろ。」
「ハァ、どうしてこう、うちの幹部は注意しても言うことを聞かないのかしら。」
ジェンダーが反省してる様子が全く無さそうなのを見て、バーラは深く落ち込む。
「それより、このノロマが来たなら早く会議を進めないか?・・・・そろそろ怒るよ、ボク?」
ナイトメアが殺気を放ちながら言う。
「そうね、私も無駄に時間は使いたくないわ。貴方も座りなさい、ジェンダー。」
「そうさせてもらうわ・・・ああ、やっぱ腰や頭が痛えわ。」
バーラに促され、ジェンダーも椅子に座るも、彼は腰を痛めているようだった。
「まったく、いつも危なっかしい所で寝てるからよ。」
「どこで寝ようが俺の勝手だろう。」
「そのせいで貴方、いつも頭から落っこちてるでしょ?!」
そう、バーラが言った通り、先程の城の外で聞こえた砲弾が落ちてきたような鈍い音はジェンダーが城の高い位置から落ちた音である。
ジェンダーはいつも、ガラスのない窓で寝ているため、高さで言えばマンションの16階の高いところから落ちているのである。
「全く、何でこんな奴が、このボクと同じ三幹部なんだ。こんな奴についている部下も馬鹿な奴らだ。」
「あ?お前、今なんつった?」
ナイトメアからの煽りに、ジェンダーは激怒こそしてはないが、先程より低い声になる。
「なんだ、お前みたいにノロマな奴でも怒るのかい?それとも・・・まさか部下が馬鹿にされたから怒っているのかい?君みたいな奴が?」
ナイトメアは上から目線で、さらにジェンダーを煽る。
「・・・そんなんじゃねーよ、ぶっ放されてーのか?」
ジェンダーは先程のダルそうな様子とは打って変わって、少し表情をこわばらせながらナイトメアを睨みつける。
「ちょっと、こんな所でケンカしないで頂戴!」
「フン!」
「・・・・・。」
バーラが2つの幹部の仲裁に入ったことで、いったん落ち着いた。
「はあ、ナイトメア、彼をおちょくるのも、いい加減にしなさいよ。」
「なんでボクにだけ怒るんだ?!」
「・・・・あなたが煽るからでしょ。」
バーラの言っていることは確かに正論だ。だが、あの時の彼女はナイトメアとジェンダーが戦おうとしていたのを止めようとしたのではなく、ジェンダーが本気で暴れるのを防ぐためであった。
バーラは別に自分以外の幹部がどうなろうが、どうでもいいのだが、ジェンダーが本気で怒るのだけは避けたかった。
バーラは、やった事はないものの、自分とナイトメアがジェンダーと同じ高さから落ちた時、死ぬことはないが果たしてジェンダーのように無事では済まされないだろうと思っているからだ。
ナイトメアはジェンダーを幹部とは認めていないが、バーラからすれば素行は酷いが純粋な力だけで云えば三幹部の中でジェンダーが1番・・・・・そこまで思って、三幹部としてのプライドのせいか、それ以上考えるのをバーラは止めた。
「そんなことより、ジェンダーが来るまでに少し話してたけど、スマイルハピネスについての話題に戻すわよ、このままじゃ会議もなにもあったもんじゃないわ。」
バーラは話題を逸らすため、ジェンダーが来るまでに、ナイトメアと「スマイルハピネス」についての話題を持ち出す事にした。
「それもそうだね。ボクもこんな奴の為に無駄な時間を取りたくないんでね。」
ナイトメアはバーラの言う事に賛成してるような台詞を吐くも、その言葉は今だにジェンダーを挑発するようなものだった。
「そうかい。ま、俺は会議が速く終わるってんなら何でもいい。」
だが、ジェンダーはさっきまでの様子ではなく、寧ろ今まで通りのダルくて眠そうな口調に戻っていた。
「とにかく!私たち魔界が人間の負のエネルギーを集めようって時に天界・・・いや、今はエンジェルランドと言っていたわね。そこの妖精が人間に指輪のような物を持たせています。その指輪の力によってスマイルハピネスが1人現れました。」
バーラは険悪な雰囲気であるこの三幹部による会議を一刻も早く終わらせるため、魔界にとっての厄災が現れるまでの経緯を簡単にまとめた。
「それは俺もウルフェンから聞いたぜ。何でも、凄まじい力を持ってるって話らしい、手も足も出なかったと言ってたぜ。」
「そうね、前に私が作り出したテッカメーンも簡単に敗れたわ。」
ジェンダーが言った事にバーラは賛同する。実はバーラ自身もスマイルハピネスの力は、この目で実際に見ている。
以前バーラが「テッカメーン」という名の負のモンスターを作った際、スマイルハピネスと名乗った1人のピンク色の服を身にまとった人間の少女、つまり夢見きららがテッカメーンを倒したのを見てバーラはその力に警戒した。
明らかに人間には有り得ない力を、見た目からして明らかに幼い少女が行使しているのだ。
その時スマイルピンクは疲れている様子だったが、バーラは突然の予想外の出来事に驚き、手を出す事はなかった。
ちなみにその後、スマイルピンクと冬先琉斗が出会うのだが、スマイルピンクが疲れていたお陰で琉斗が逃げれたのをバーラは知る由も無い。
「そのスマイルハピネスが先日もう1人増えたから、こうして会議をしているんだよ、このマヌケ。」
「なんだ、もう1人現れたのか?」
ナイトメアの言葉にジェンダーは驚く事もなく、ダルそうな口調で喋る。
しかしその瞬間、ナイトメアの口調がニヤける。
「そうか、君は知らないんだな?」
「ああ、それがどうした?」
ジェンダーはナイトメアからの質問に理解できなかった。
「当たり前でしょ?その話はジェンダーが遅れている最中に話してたことだもの。」
バーラもナイトメアの質問に理解できづずにいた。
「フ、それはだな・・・・。」
「揃ったな、三幹部。」
ナイトメアが何かを言いかけようとした時、突然、何も無い空間から三幹部の目の前にドス黒い負のオーラを出す何者かが現れた。
その何者かを見た瞬間、三幹部の表情がこわばり、全員その場でその者に跪き、頭を下げた。
「は、ただ今揃いましたキングサタン様」
キングサタン、アルクの話に出てきた魔界の親玉である。
「うむ、ご苦労だったな。」
キングサタンと呼ばれる者は膨大な負のオーラにより視認することはできないが、確かに喋っている事が分かった。
「しかし、今まで我らのこのような会議に参加されなかったキングサタン様が、何故今日の日に?もしや負のエネルギーが必要でおられますか?」
バーラは、三幹部全員が疑問に思っている事を直接聞いた。
実はキングサタンと三幹部は、この会議室とは別の場所で会う事になってるので、三幹部は予想外の事に少しだけ困惑していたのだ。
「そうだな。お前達とは我の部屋で負のエネルギーを献上する時しか会ってはいないが、今日はそういう話で来たのではない。」
そう、いつも三幹部とキングサタンが会う時は、それぞれの幹部がキングサタンに負のエネルギーを献上しているのである。
しかし幹部が集めた負のエネルギーを全てキングサタンに献上するわけではなく、残った負のエネルギーは魔界の皆の生きるための養分にしたり、自分の力を上げる為に使っている。
「ならば今日は、どのようなご用件で?」
「スマイルハピネスの事についてだ。」
バーラからの疑問にキングサタンは三幹部が話題にしていたスマイルハピネスについて話てきたので、三幹部の間に緊張感が漂う。
「あれは天界・・・・いや、今はエンジェルランドだったな。そこのミカエルの仕業である。」
「・・・!!ミカエルと言いますと、まさかクイーンミカエルのことですか?!」
キングサタンの発言にバーラは驚愕する。
「クイーンミカエルと言いますと、確かエンジェルランドの女王様ですね?その女王様が関わっているということはエンジェルランドは本気で魔界と決着をつけたいのでしょうな。」
「そうだ。」
ナイトメアの見解にキングサタンは肯定した。
「そして、スマイルハピネスはおそらくミカエルとの契約者であろう。」
「「「!!!」」」
キングサタンの言葉に三幹部は驚愕した。そもそも契約というのはエンジェルランドや魔界の者がそれぞれ波長の合う人間に自分の力を与え、加えて契約した人間の元々あった潜在能力が開花することで、単純な計算で言えば、契約前の者を1とし、契約する人を0とすると、契約した後に契約前の者が0.5になったとしても、契約した人の潜在能力が開花することで1になり、総合的に見れば強くなる。
要は強ければ強いエネルギーの持ち主程、契約した人間が強くなる。
「そんな!!ではもし、スマイルハピネスが更に増えるような事態になれば・・・!!」
バーラは戦慄を覚えた。
彼女の目には、スマイルハピネスの力は三幹部レベルの実力があったからだ。
それがエンジェルランドの女王様が人間と契約した、などという話なら納得はできた。
しかし問題はそこではない。そんな人間が2人に増えたことが問題なのだ。更に新たなスマイルハピネスが現れたなら、魔界が人間界を支配する計画は無理になるかもしれないからだ。
「落ち着けよ、バーラ。そんなに思い悩むのは美しくないぞ。」
バーラが悩み込んでいるのとは対照的にナイトメアは冷静である。
「なんで貴方はそんなに落ち着いているのよ。こうしている間にも、新たなスマイルハピネスが誕生してるかもしれないのよ?!」
「それならそれでいいじゃないか。もしスマイルハピネスと契約してるのがクイーンミカエルだけなら、今のクイーンミカエルは人間なんかに力を与えた事で弱くなってるだろう?」
「た、確かに。」
バーラがの焦りがナイトメアの冷静な分析により、平常心を取り戻していく。
「それに、1人だけじゃなく、2人・・・いや、もしも3人や4人と契約していく度にどんどん弱ってく。確かにスマイルハピネスは強い。だが、ボクやキングサタン様の敵ではないさ。」
ナイトメアはスマイルハピネスなど恐るるに足らない感じで話す。
「その通りだ。故に我にもっと負のエネルギーを与えるのだ。我はまだ本来の力の半分も取り戻せていないのだからな。今日はその忠告に来たのだ。」
そう言い残し、キングサタンは何も無い空間に穴のようなものを出して立ち去ろうとする。
「キングサタン様、少しお待ちになってもらっても宜しいですか?」
しかし、立ち去ろうとするキングサタンをナイトメアが引き留めた。
「何だ・・・・言いたいことがあれば言うがよい。」
キングサタンは立ち去るのを止めて、ナイトメアに用件を促した。
「は。まずは、先日にボクが作り出した負のモンスターがスマイルハピネスにやられました。そこはボクの力不足でした、申し訳ございません。」
いつも通りの自意識過剰の喋りではなく、心の底からキングサタンに仕えているのか、ナイトメアは丁寧な謝罪をした。
「あれは仕方のないことだ。後で我が元に負のエネルギーを持ってくれば、それでよい。」
「ありがたき言葉にございます。しかし、問題はその後にございます。スマイルハピネスが負のモンスターを倒したので魔界に戻ろうとすると。その場に我々魔界の者が現れました、しかも人間と一緒におり、そして楽しそうに会話してました、しかもそいつは最近我々の軍勢に仕えたジェンダーの部下でした。」
「何ですって?!」
「・・・・・・。」
ナイトメアの証言はウルフェンと冬先琉斗についてなのだが、そんな事はこの場ではジェンダーを除いて誰1人知らないので、バーラは驚き、キングサタンさえも言葉を詰まらせる。
「どういう事なの?!説明して頂戴、ジェンダー!」
たまらずバーラがジェンダーを問いただす。
「・・・・、それはあれだ。そいつに人間界の情報を集めるために人間の元に行かせてんだよ。それに、なんとなく犬ぽっく見えただろ?」
ジェンダーはナイトメアを見ながら答える。
「確かに。ていうかあれ、もう犬だろ?余りにも負のエネルギーが弱すぎてボクも見つけるのに苦労したよ。だがあの犬は人間と普通に喋ってたぞ。それでは人間に自分の正体をばらすようなものだろう!これはどう説明するんだい?」
この場の誰もがナイトメアと同様の疑問をもった。
「そりゃあ・・そいつが、お前さんと似たような能力だからさ。」
しかしジェンダーがこう答えると、ナイトメアの表情が一変した。
「何だって・・・・あんな犬みたいな奴が、このボクと同じような能力だって・・・・・?」
ナイトメアの顔が、どんどん怒りに満ちていく。
「ま、そうは言っても似てるっていうのは、対象の心に能力を発動させるってことだけで、アイツの能力は「ちょっとした洗脳」みてえなもんだ。完全に洗脳出来るわけじゃねーが、人間と喋るくらいの事は出来る。」
「だとしても、そんな凄い能力の持ち主をよく見つけられたわね。」
「たまたま拾っただけだ。俺の実力じゃねーよ。」
ジェンダーはとても謙虚に話す。
「取り敢えず、この件はこれくらいでいいですか?キングサタン様。」
「ああ。人間界の情報を得られるのは我々にとって非常に喜ばしい事だ。引き続きその者に人間界の情報を引き出させるのだ。」
ジェンダーの説明に納得したのか、キングサタンは何も無い空間にゲートみたいなのを作り出した後、闇に消えていき、その場には三幹部のみが残った。
「じゃ、俺は部屋に戻って、また寝るわ。お疲れさん。」
ジェンダーはダルそうな口調で部屋を後にしようとする。
「待ちなさい。」
しかしバーラがジェンダーを引き止める。
「・・・何だ?面倒事は御免だぜ。」
「いえ、ただ貴方がそんなに魔界のために協力的になるなんて思わなかっただけよ。」
「別に俺の実力じゃねーよ。全部部下の実力だ。」
ジェンダーの言葉にバーラは「はっ」としたような顔をして、苦笑いする。
「それもそーね。今思えば、負のモンスターを作る道具は貴方の部下が作ったんですものね。」
「そーいうこった。じゃ、今度こそ俺は部屋に戻るぞ。」
そうダルそうに言いながらジェンダーは部屋を出ていった。
「・・・この調子だと、もしかしたらジェンダーが私達の中で1番、負のエネルギーを集めちゃうかもね。」
バーラは不機嫌そうにしているナイトメアに向かって話しかける。
「フン!それでも、今まで三幹部の中で「負のエネルギーを集める」ことで1番であり続けたボクが負けることはないね!!」
ナイトメアは意地っ張りのような感じに言う。
しかし、当然のことではあるが、ウルフェンは「洗脳」なんて能力は持ってない。そもそもウルフェンは狼のような鋭い歯と手足の爪が彼の武器なのだ。
すなわち、ジェンダーは嘘をついた!!
「大体、奴は部下を1体失ってたるだろ?たしかウルフェンとかいってたか。それなのに奴は新しい部下を持とうとするとは、とんだ薄情者さ。」
「まあ、それは仕方のないことでしょ。・・・・・でもそうね、そのことに関して言えば、ジェンダーに罪悪感みたいなのを一切感じなかったのは、かなり薄情者ね。」
バーラはジェンダーを薄情者というものの、ジェンダーが部下を失ってるにしては余りにも問題なしという様子なので、どこか妙に違和感を覚えた。
「だーからーー!!めんどくさいと何度言えば分かるんだよーーー!!!」
「だからーー!すぐに終わるって言ってんだろーがよーー!!」
「その時間がめんどくさいんだよ!!」
「何でだよ?!」
ジェンダーを除く三幹部、果てやキングサタンにさえ目をつけられたウルフェンはそんな事知る由も無く、冬先琉斗と今だに言い争っていた。
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