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脳天気娘  作者: めぐたん
12/13

喜怒哀楽

あぁ神様・・・・私はどうしたらいいのでしょうか・・・・


神野 真琴 只今、おびえております。

え、なんでだって?それは・・・・・・

「そうですか・・・私が怒ってるというんですね。」

「はう!!!」

神野の心の声はちゃんと小崎に届いていた。届いているというよりも口にでているので仕方ない。

小崎は眉間にしわをよせていた。

ここは小崎の仕事部屋である。周りは静かで静か過ぎて。

あぁ。。。元は私がやってしまったこと・・・お菓子につられたばっかりに・・・・。

「・・・・・。」

半ばしゅんとしている真琴を見て小崎は

「私が怖いですか?」

「・・・え?」

小崎の表情は少しせつなげに見えた。

どきっ

なんだろう・・・胸が苦しい。。。

真琴は自分がなにをいうべきかわかっていた。

「あの。」

「なんですか?」

真琴は顔を赤らめ、小崎に向かい、

「会ったらいわなきゃって思ったんです。」

「・・・・・。」

小崎は無表情で真琴を見つめた。

「あの。。。」

真琴は息を吐き出すように言葉を出した。

「昨日はありがとうございます!!私、たくさん小崎さんには助けてもらって、しかも小さいときも遊んでもらってることも忘れてしまって、あっ忘れたんじゃないです。まさかこんな身近に出会えるとは思ってなくて。」

「・・・。」

「うれしかったです。必要としてくれる小崎さんのその気持ちも温かいです。」

「・・・・・。」

真琴は小崎に満面の笑みで微笑んだ。

「ありがとうござます。」

小崎は眼鏡をあげると

「大したことじゃありません。今日は私が送ります。また変なのがいるといけませんからね」

小崎の言葉に真琴は元気よく返事をしたのだった。

「あの小崎さん・・・・」

「はい。」

真琴は先ほど聞いた候硫からの話を思い出した。

「昼から候硫様の仕事を手伝うという話の件なんですが・・・。」

「・・・・あぁ。」

小崎は真琴がなにをいうかわかっていた。

「使えないからだというわけじゃありません。人手が足りないので手伝うだけですよ。」

「そうですか。」

真琴はそれ以上聞かなかった。前のような不安などはなかった。

小崎が自分を必要としてくれているのはすごくわかったし、ただ小崎からその言葉を聞けなかったのが気になったのだ。

「気になりますか?」

「え・・・?」

小崎の質問に真琴はきょとんとした顔になっていた。

小崎は口元を微笑ませながら

「私のことを覚えていないことを・・・私が気にしてるかどうかです。」

「!!?」

真琴の顔は一気に青ざめた。さっきまで気にはしていたがもう忘れていたのだ。

いきなりそれをいわれてあせる真琴に小崎は笑いながら

「あなたは昔からお菓子以外眼中にないので、面接のときもきれいに私のことを忘れているあなたを見て、やっぱりかわってないなぁっと思いました。あなたは昔からかわっていません。

予想してましたから気にしなくていいですよ。」

「・・・・すいません。」

いいですよっていわれても気にしますよ。っと真琴は思っていた。

「神野さん。」

「はい・・・。」

小崎は外を指差して、

「あそこのケーキおいしいんですよね。」

小崎の指指す方向にはケーキやさんがあった。真琴はさっきまでの暗かった表情から一変、

ぱぁっと華やかな表情へとかわった。

「今度いきます!!」

小崎は真琴の喜怒哀楽の激しさに微笑をかくせなかった。

「いまからいってあげますよ。」

小崎はもう少し真琴のそばにいたいとそう思えたのだった。




ぶるぶる・・・ぶるぶる・・・

ベットの上で携帯が鳴っていた。手探りで携帯を探し電話に出る。

だれかなんてみていない。

「・・・・はい。」

寝ぼけているのか寝起きだからか声が低い。

「朔?やっとでた・・・」

電話の主は女の声だった。朔は電話を耳に当てながらねそべる。

「ねぇいますぐ会いたいの。朔。」

「・・・・。」

朔の目が細くなる。

「朔、お願いよ・・・会いたいの。」

「・・・・。」

電話の向こうの女性は徐々に泣いている声に聞こえたが朔の表情は冷たかった。

「愛してるのよ・・・朔・・・私・・あなたがいないと・・・」

女性の言葉に朔の口元は微笑んだ。

「ねぇ・・・」

「・・・。」

「君は愛してるっていうけど・・・今の彼氏はどうしたの?」

「別れたわ。あなたがいいの・・・朔」

朔はベットから起きると、

「おしまいだよ。君とはもう遊ばない。」

「・・・なにをいってるの?」

女性の声はわけがわからないといった感じでとまどっていた。

それでも朔はおかまいなく淡々と話し出す。

「さようなら。」

「いや!!!?朔!!!いやよ!!!捨てないで!!!」

女性の声は発狂していた。朔は表情ひとつかわらない。

「君さ・・・・・・遊びだってことを理解してよ。尻軽女の相手なんてもうあきたよ。」

「!!!!!!?」

なにか叫び声が聞こえたが朔はそのまま電話を切ってしまった。

ぶるぶる・・・ぶるぶる・・・

携帯は尚も震える。

「しつこいのは嫌いだ・・・。」

朔は窓を開け外に見える噴水に携帯を投げ込んだ。

「・・・・・。」

外の空気を吸い込み朔は考えた。

「次探さないとなぁ・・・・」





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