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第25話 無責任な誹謗中傷とグレッグ様の守り

「あなた、いくら幼馴染だからといって、キース様との婚約にしがみつくなんてみっともないわ。エリス様とキース様は相思相愛だというのに」


「田舎の男爵令嬢だから子爵夫人になりたいのはわかるけれども、こんなにキース様の評判を落として何がしたいのかしら。大人しく身を引くべきではなくて?お優しいキース様を困らせてまで地位が欲しいのかしら」


思いもよらない攻撃に戸惑う。学年で違うリボンの色からして1つ上の先輩方のようだが、名乗りもせず、どこの家のご令嬢方なのかもわからない。キース様をエリス様とくっつけたいというのはわかるが、それが彼女たちにどう関係するのかもわからない。何と答えていいのかわからず黙っていたら、何も言わない私に焦れたのか口々に話し出す。


「エリス様の方がお美しくて気品もあって素晴らしいのに、なぜこんなはっきりしない子をキース様は婚約者に据えているのかしら」


「あら、ご両親の仲が良いそうよ。きっと子どもの我儘で無理やり婚約者におさまったのね」


「北方とはいえ子爵家の嫡男。それもあんなに素敵な方なら伯爵家のご令嬢でも釣り合うというのにご両親の手前、拒否できなかったのね。本当にお優しい・・・」


「エリス様と出会われてきっと後悔なさっているわね。お可哀そう・・・」


好き放題、言われ放題である。が、どうも政治的な何かとかそういうことでは無いらしい。おそらくキース様とエリス様に憧れて、理想のカップルを作り出したいだけなのだろうというのは想像がついた。都会の作法に疎くて、こんな知らない先輩方に口を出されるのが普通なのかどうか良くわからないが、そもそも噂話を舐めていてこんなことになっているのは確かなので、くだらないと思っても聞かないといけないのかな、とうんざりしながら聞いていると、ちょうどそこにグレッグ様が通りかかった。


「先輩方、マイニング辺境伯家のグレッグと申します。彼女にどのようなご用でしょうか。北方辺境伯家としても静観している件なのですが、ご不満があるようでしたら家を通してご連絡いただければ、正式にご回答いたしますが。サントス伯爵家のメアリ嬢と、カナン子爵家のサラ様、それに・・・」


「あ、あらマイニング辺境伯令息様、そんな、不満なんて・・・そろそろ授業もはじまりますし、わたくし達これで失礼いたしますわ!」


今までの勢いが嘘のようにそそくさと去っていくのを、ほっとしながら見ていたら、グレッグ様がため息をついたので慌ててお礼を言う。


「ありがとうございます。どなたかもわからなくて、どう答えて良いのかわからず戸惑っていたのです」


「名乗りもせずにしゃべっていたのか。非常識な。家から抗議するほどのことでもないから放置するが、ああいう浅慮な手合いは家にご連絡を、と言えばだいたいは尻尾を巻いて逃げていくよ。爵位が上の者だったら辺境伯の名前を出してもいい。様子見中なのは確かだからね」


「ありがとうございます。私、都会の作法には疎くて。何か言ってまた面白おかしく噂されるのかしらと思うと気が重くなります」


「今回のように噂がもとで面倒な話になるというのは確かにあるらしいからね。母上が閉口していたよ。何かしら彼女たちにとって噂の種になりそうなことが無いか探られて疲れるって。たぶん側妃である叔母上の足を引っ張りたいんだろうね」


「側妃様は王妃様と大変仲が良いと伺いましたが」


「陛下を置いて二人で旅行の計画を立てるくらいには仲が良いよ」


「まあ。それでは少しの噂なんて関係ないのでは」


「まだ正式にご婚約されていないお子様方がいらっしゃるからね。少しでも有利な方を取り込みたいんだろう」


「面倒なのですね」


「公爵家と伯爵家に思いっきり巻き込まれている君が言うのも変な話だけどね」


「そういえばそうでした」


思わず二人でクスクスと笑う。

それにしても、私の周りではキース様が不誠実だという論調が強いのに、他のところでは私が未練たらしく縋りついているということになっているのかと、人の噂は侮れないわりに当てにならない、扱いの難しいものだと思う。


北方は王都との付き合いもあまりないし、皆のんびりしている。現に今回の騒動も当事者たちは何も知らなかった。メラニー様の従姉が実家に報告しなければいつまでも知らなかっただろう。もしキース様と婚約を解消したとしても、やはり北方に住みたい。噂好きの王都の令嬢たちの好き勝手な話に付き合っていくのは私には無理だな、と思いながら、グレッグ様と結婚したら・・・?と考えてみる。

辺境伯の本家ならば中央との付き合いは必須だが、グレッグ様は子爵位を継ぐ。内政で辺境を支えると言っていたから卒業後はすぐに領地に帰るだろう。正直、有りだな、と思ってしまって、男性を天秤にかけるなんて、なんて傲慢で品が無い考えなんだろうと自己嫌悪に陥ったのだった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

楽しんでいただけましたら、ブックマークや評価をいただけると嬉しいです^^

明日も20時に投稿予定です。

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