「正家、雅信の他界、雅実の速記を見る相人たること」速記談6058
藤原正家朝臣は、人相見であった。息子の右少弁兼左衛門権佐俊信を観相して、なるべき官位には既に達してしまっている。しかし、私の葬儀をする相が出ていない。とても残念なことだ、とおっしゃった。その言葉のとおり、俊信は、正家に先立って他界してしまった。白河院については、八十歳まで生きられる御寿命だと観相したが、太政大臣源雅実公は、院にこのことを申し上げなかった。御自身の速記の行く末を観相してもらった結果と同じく、当たり過ぎて、これを恐れたためである。
教訓:観相というのは、その人の相であるから、多少の環境の変化で変わることはなく、当たり過ぎると、聞きたくなくなる人もいる。