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来訪


「杭っ!」 キィンッ!


「はああー!」 ガキィィーン!


「随分とセルビナを大事そうに守るな小僧」


ドシュッ! 「ぐあっ」


しまった、闇の魔法剣で斬られて生命力が…。ただでさえ部屋中に広がる闇魔法で生命力が削られているのに…力が抜けていく、だが…!


「まだまだっ!連射式尖粒!」 パシュシュシュッ!


「エターナルスペース」 ヴンッ。


ぐっ、魔力がもう…頼んだぞガールズ。


「ブラッディペタル!」

「エンチャント・アイスハンマー!」


血刃の花弁が視界を遮り、セルビナの『紫骨』とイヴの『シャドウイーター』に氷の大鎚が付与され2人は大きく振りかぶった。


「ふん、魔剣解放」 ドォンッ!


「うおっ」

「ぐあっ」

「ぐっ…」


先よりも強力な魔剣の衝撃波で俺達3人は揃って飛ばされた…だがこれで良い、今だアニラ!


「圧拳っ!」 ドゴォ!


「ぐはっ!」


血刃の花弁で身体を傷付けながらも魔剣の衝撃波の射程外で身を潜めていたアニラが魔王の背後を取り、見事な一撃を加えた。


「これで決めるぞ!」


「図に乗るな裏切り者が!」


ガキィィンッ!


「コールドスプレイ」 パキキキキキ…。


セルビナが魔剣を『ダークイルミネーター』で受けながら凍らせた。


「小癪なっ!」


「させぬ!」 キィィンッ!


闇の魔法剣はイヴがブラッディクロスソードで受け止めた。今だっ!


「ショットガン!」 バァンッ!


「エターナルスペース!」 ヴンッ。


「エンチャント・ハードブーツ!」


俺の『ショットガン』は陽動だ。アニラの右足に無属性魔法を付与した、決めてくれアニラ!


「硬圧脚っ!」 バキィッ!


「ぐおおぉっ!」


ドガァァンッ!!


腹部に飛び蹴りをくらった魔王は勢いよく吹っ飛んで行き壁に叩き付けられた。


それとほぼ同時に部屋の闇魔法が解けた。


動きがない、やったのか…?


4人で集まってから魔王のもとに行くと、奴の身体は壁にめり込み、大量に吐血していた。


「ごふっ…馬鹿な…このワシが貴様等なぞにやられるとは」


「ミウ様、無理し過ぎですっ」

「そうだ。魔力を使い過ぎだぞ、生命力だって…」

「大丈夫だ、もう勝負はついたからな」

「そうじゃな。妾達は魔王に勝った」


「ぬぅ…なんと言う屈辱。さっさと殺せ」


「またそれか。お前達はもう少し生にしがみついてもいいと思うぞ」


「生き恥を晒すくらいなら死を選ぶ。当然のことだ」


「困った奴だな。悪いが殺すつもりは毛頭ないぞ」


「なんだと。貴様はワシを殺しに来たのではないのか」


「いや、実を言うと和平交渉に…」


「おやおや、これは驚きましたねぇ」


「!?」


なんだこいつは…いつの間に。


真っ白い軍服の様な格好をした長身の男が立っていた。腰には十字剣を携えている。人間か?


「魔王の息の根を止めに来たというのに、先客がいらっしゃるとは」


「なんだお前は」


「私は聖騎士。『五つ星の遂行者ホーリーナイツファイブマスター』の1人です。あなた方のような邪なる者に名乗る名は持っておりませんのでご容赦を」


なんだ?聖騎士?マスター?


「!!」


キィーンッ!


「何のつもりだ」


「それはこちらの台詞ですよぉ。人間のあなたが魔王を守る理由はないでしょう」


「こいつとの勝負はもうついたんだ。いきなり現れたお前が勝手に斬りかかるな」


「アイスエッジ!」

「ブラッディナイフ!」

「風掌波っ!」


「ホワイトフレアー」 ゴォゥッ!


燃え上がった白い炎によって3人の攻撃はあっさりと防がれた。


「これは、聖炎魔法じゃと!?」

「ミウ!ここは退くぞ!」

「そうです!ミウ様!」


「それは困りますねぇ。人間と獣人はともかく、吸血鬼と魔王軍幹部は殺害対象なので」


こいつ、セルビナとイヴを!


「ご安心を。魔王の命が最優先なので」


そう言って聖騎士は再び魔王に斬りかかった。


「ロックウォール!」 バゴォッ!


「これはっ」

「ユラノさん!」


ユラノが現れ、魔王を背に立った。


「おのれ聖騎士!魔王様、ここは私がっ」


「よせ、勝てる相手ではない」


「承知の上です!ヘビーロックショット!」


ガガガガガガッ!


聖騎士は凄まじい剣捌きで飛んできた岩を全て破壊してユラノに接近した。


ガキィンッ! 「アニラ!」


アニラが『照暗砕角』で聖騎士の剣を受け止めた。


「邪魔ですよ」 ボゴンッ!


「がっ…」

「アニラ!」 ザッ!


蹴り飛ばされたアニラをセルビナが素早く移動して受け止めてくれた。


ドシュッ! 「うっ」


ユラノが肩から腰にかけて斬られた。かなりの深手だ。


「ぐ…聖騎士め。ストーンニードル!」 キンッ!


ザクッ! 「ぐっ!」


魔法攻撃を軽々と弾いて聖騎士はユラノの胸に剣を突き刺した。くそ、見てられない!


「やめろ!」 キィィンッ!


「何故そこまでして庇うのか理解し難いですねぇ」


「ごふっ…ヘビー…ロックショット!」 ガキンッ!


「くっ…しぶといですね」


「はあっ!」 ブゥンッ!


聖騎士は俺の剣をかわしてそのまま距離を取った。


「魔王様!」


その時、ルシガルと魔人族の女性2人が部屋に入って来て魔王の元に駆け寄った。


「ユラノ、お前…」


ルシガルが倒れてるユラノの側で膝を付いた。


「あなた達、どうか魔王様を…憎き聖騎士から守…って…」

「おいっ!」

「ユラノ!」

「ユラちゃん!」


「ワシを先に庇って逝くとは…愚かな奴よ」

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