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再現


「な、何なのそれ」


ブチブチブチ… 「痛っ」


まだまだ、もっと回転を。


ギュルルルルルッ…!


ミウ様はもっと腕を裂き血を流していた、それに『照暗砕角』がある程度保護してくれてる。


ギュオオオオオーーーッ!!


ブシュシュ! 「ぐっ」


「片腕が血だらけじゃない。気がふれたのかと思ったけど、回転を加えて貫通力を上げているのね」


「ご明察です。行きますっ!」


「悪いけど近寄らせない!ヘビーロックレイン!」


頭上から巨大な岩の雨が降り注ぐ。あれに潰されたら終わりだ。当たる訳にはいかない!身体強化魔法と足の裏に追い風の加護を!


ドヒュン!


「なっ、ストーンエッジ!」 グサグサッ!


ぐぅ…急所さえ外せば死にはしない、速度を落とさずこのまま行くっ!


「ちい!」


ユラノは先程同様、重心を低くして両手で盾を持った。


「はあああッ!超高速竜巻回転式手突っ!」


ドガァッッ!!


ユラノの盾は付与した岩石魔法ごと粉砕され、そのまま私の突きは彼女の胸を貫いた。


「あ…ぐぅ。この私が…」


ドサッ。


死んではいないはずだ。


やった…急いで残りの薬を飲んで魔力が切れるまで治癒魔法をかけた。早く皆と合流しないと。ミウ様、待っていて下さい。アニラがお迎えに参ります。


ーーーーーーーーーー


「鞘に納めて…まさか居合い抜き?」


「そうだ。私はこの抜刀術に賭ける。ルミディア、お前に受ける覚悟はあるか」


「いいね、好きだよそういうの。真っ向から受けてあげる」


「感謝する…いくぞっ!」


身体強化魔法をかけ最大速力でルミディアに向かった。


「フリーズミスト」 ヒュオオオー。


「そんなんじゃボクの目は眩まないよ」


更に先ほどアイスロックスコールを放った時に張っておいた天井の氷を刃に。


「アイスエッジレイン!」


「へぇ、一帯を凍らせていたんだね。バーニングゾーン」


ルミディアの意識は反らした、この一振りに全てを乗せ

る!


「ムダだよ、またカウンターで…」


「氷刀・物干し竿っ!」 ザンッッ!!


下段からの渾身の一太刀でルミディアの体は宙を舞った。


ドサァッ。


「うぐっ…」


傷口が開き血が吹き出た。急いで最後の止血薬と魔力回復薬を飲んで治癒魔法を行い、なんとか死は間逃れた。


「ぐ…それは…成る程、そういうことね」


ルミディアは剣を突き立てて立ち上がった。


そう、私の『紫骨』の尖端に氷凍魔法で刃を形作り刀身を伸ばしたのだ。かつて私がミウに敗れた時の様に、ルミディアの眼力による見切りを利用した一太刀だ。


だがルミディアに通用する斬撃にするため、抜刀の速度、付与するタイミング、付与した氷刃の完成度、これらを完璧に組み合わせることができたのは実力とは呼びがたい殆ど運の様なものだった。


「カウンターで切り捨てるつもりだったのに、キミの…抜刀の方が速かった。しかもその氷刃、ボクの目を欺くために極限まで薄く研ぎ澄ませている…それでいてとんでもない強度だ。まるでテルセリーデの…。はぁ、やっぱりボク…氷は嫌いだよ」


ドサッ。


ーーーーーーーーーー


ガガガガガガッ!


「うふふ、手数を増やしたところでわたくしの氷は割れませんよ」


通常の血刃で可能な限りの連撃を加え、少しでも多く時間を稼ぐ。


「どうやら策があるようですわね」

「鋭いのう」

「念のため阻止させて頂きますわ。フロストステイク!」


ドヒュヒュン!


受けきれるか分からない程の威力…ならば血刃で軌道を逸らして躱す。


「素晴らしい。ではこれならどうでしょう、フロストジャベリン!」


ザクッ! 「ぐっ」


なんとか心臓から逸らしたが速すぎて避けきれず、肩を貫かれた。


だが準備は整った。


「ゆくぞテルセリーデ!」


「その球体は…危険ですわねっ!フロストアース!」


パキキキキキキキキ…。


「ぬうっ!?」


これは、地面が…やむを得ん! タンッ!


「空中で避けられるのかしら。フロストステイク!」


ドシュシュシュ。


「ぐぅ…」

「なっ、避けずに全部受けるなんてっ」


恐らくあの氷杭は陽動、妾が血刃を地面に突き立て回避したところに致命の一撃を与えるつもりだったな。頭と心臓に当たらなければ即死はしない。


体勢を立て直してテルセリーデに接近すると、既に身体に氷を纏い始めていた。


高密度のブラッディエッジを大量に創り、血球体で包み込み圧縮し留める。限界まで圧縮した血球体を至近距離で炸裂させて血刃の散弾を浴びせる!


「くらえ、ブラッディ・ショットガン!」


バァァンッ!!


「がっ…」 ドシャッ。


散弾を受けてテルセリーデの全身の氷鎧は砕け、血飛沫を上げて宙を舞い落下した。手持ちの薬と薬草を全て使って治癒を行ったが貫かれた3ヵ所の穴は完全には塞げなかった。血がどんどん流れる。皆と合流するのは難しいか…。


「まさか…お構い無しでわたくしのフロストステイクを受けて距離を詰めてくるなんて」


テルセリーデは起き上がり品のある姿勢で座っていた。戦う気はもうないようだ。


「とどめも兼ねて何故わたくしの血液を奪って回復しないのですか」


「敵であろうと人の命は大事にしたい。妾の想い人がそう言っていたのでな。まあユビルジウスやアマルの様な輩は別じゃが」


「成る程…それはユラノが言っていた人間の男ですの?」


「そうじゃ。お主等には理解出来ぬ言葉じゃろう」


「…そうですわね」


「ふっ、妾も初めは理解出来なかった。…よい戦いじゃった、さらばじゃ…」


「お待ちを。わたくしの血液を使って下さい。貴女程の方なら相手が死なない程度に吸血するのは容易いかと」


「お主…なぜ」


「敗れた時点で死を覚悟しましたが、貴女の仰有った人間の男に興味が湧きましたの。心を持たないと云われた怪人族、吸血鬼の貴女をわたくしよりも人らしく、女性らしくしたのはその人間なのでしょう?」


「まあ…そうじゃな」


「死ぬ前に一度お会いしてみたいのですわ」


「そうか。構わんがもしその人間に危害を加えたら命は無いぞ」


「うふふ、素敵ですね…羨ましい感情ですわ」

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