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寵愛


「お待たせ致しました」


薄着姿のアニラを目にして俺の理性は消えかけた…なんて麗しいんだ。


「アニラ、綺麗だ」

「ミウ様…」


それから濃密な口づけを交わし、じっくり味わう様にアニラを抱いた。


結論から言うと……めちゃくちゃ良かった。アニラの表情、声、肉体の感触が堪らなく、後半は欲望のまま貪ってしまった。


更にアニラ曰く尻尾は神経が集中していて…まあ要は敏感な部位と聞いたので2回戦目はなるべく尻尾にも触れながら抱いてみたら大変なことになった。


そしてもう1回戦。


一晩で3回もしたのは前世を含め初体験だった。


「アニラはミウ様を満足させることができましたでしょうか」

「ああ、天にも昇る気分だった。ごめんな、あまりにも気持ちよくて途中から加減ができなかった」

「それを聞いて安心しました。アニラも天にも昇る心地でした…が、ミウ様の激しさに身体がついて行かず、もう満足に動けません」

「気にするな。今日はもう休もう」

「はい、アニラは今まで以上に幸せでございます」


そうして俺達は抱き合ったまま眠りに就いた。翌朝、2人してなかなか起きて来ないのを理由にイヴとセルビナが起こしに来た。


「すまない、寝過ぎた」

「よい。食べ物を買っておいた」

「ありがとうイヴ」

「ありがとうございます」

「ミウ、アニラを借りてもよいか」

「ん?構わないが」

「アニラ、行くぞ」

「え?あの…」


そうしてアニラは連行される様に2人に連れ出された。それにしても何もする気にならない…クタクタだ。


ルムリス達の店で買っておいた精力回復薬を試す時が来たな。荷物から小瓶を取り出し一気に飲み干した。あとは食事と睡眠を充分に取ろう。


窓を開けると海風が入ってきて心地良かった。


イヴが買って来た弁当を食べてからベッドに大の字になって寝転んでいると、早くも眠気に襲われて目を閉じた。


「ミウ、ミウ!」

「んー…?」

「もう夕方になるぞ」

「えっ」

「2人揃ってよく寝るのう」

「アニラも寝てるのか」

「うむ、食事を済ませて直ぐに眠ってしまった。それよりミウ、今日はその…どうするのじゃ」

「イヴは最後だ。いいか?」

「か、構わん」

「では今夜は私だな…よ、よろしく頼む」

「セルビナ、平気か?」

「…平気だっ」


か、可愛い。やや尖った耳が真っ赤になっている。まずい、なんかもうスイッチ入ってるかも… 夜が待ち遠しい。


「晩飯はどうする」

「まだ早いじゃろ。食事とは別に外出せぬか?」

「そうだな、寝てばかりは良くないよな。運動がてらに2人に模擬戦を頼んで良いか」

「よいぞ」

「受けて立とう」


一応アニラにも声をかけに行ったがぐっすり眠っていたので寝かせておいて3人で宿を出た。


町の外れの空き地で模擬戦を行った。やはり『月明爪』は最高の刀だ…早く実戦をしたい。


一汗かいた俺達は宿に戻って身体を洗ってからアニラを連れて宿の食堂に向かった。


「アニラ、寝過ぎだぞ」

「すいません…なんだか疲れきってしまって。セルビナさんも覚悟しておいた方がいいですよ」


そう言ってアニラは無邪気に俺をちらりと見た。


「そ、そんなになのか…?」

「セルビナ、無理はするなよ」

「も、問題ないっ」


3人は別の部屋に行き、俺は部屋に戻り窓辺に立って夜風に当たっていた。


コンコン。


「ミウ、入るぞ」


窓を閉めて振り返ると、薄着姿のセルビナが立っていた。こ、これはヤバい。


優しく抱き寄せてから目を見てしっかり伝えた。


「セルビナ、綺麗だ」

「う、嬉しく思う」


手を握ってキスをすると、セルビナは若干震えていた。もしかして怖いのか…。


「痛かったり不快だったら我慢せず言うこと。約束してくれるか」

「分かった。約束する」


俺は安心感を与える様に丁寧にセルビナを抱いた。


徐々に身体がほぐれ、俺に身を委ねてくれているのが分かる。そんな矢先に唐突に言われた。


「ミウ、愛している」


あ、駄目だ。理性が…セルビナの一言と表情、息づかいで俺は獣になった。


「大丈夫だったか?」

「ああ。その…少し乱暴に思えたが…とてもよかった。ミウさえよければもう一度したい」

「セルビナは本当に素直だな」

「だ、駄目か?」

「まさか。それに俺はその素直さに惚れてるからな」


結局アニラ同様、3回もしてヘトヘトになり、俺達は寄り添って眠りに就いた。


カーテンと窓を開ける音で目が覚めた。


「ミウ様、もうお昼でございます」

「えっ」

「本当によく寝るのう」

「きっとイヴさんもこうなりますよ、ですよねミウ様」


クスクスと笑いながらアニラは俺を見た。普通に可愛い。


「そうだな」

「そ、そうなのか…?」


既に顔が赤くなってるけど本当に大丈夫か。


「お食事にしますか」

「ああ。支度するから先に出てくれ」


隣で寝息を立ててるセルビナの頭をそっと撫でてからベッドから出た。無理矢理起こす必要はない、寝かせておこう。


3人で食事を済ませ、市場にやって来た。


「セルビナに何か買って帰ろう」

「そうですね」

「そうじゃな」

「2人に任せていいか?」

「え、どちらに行かれるんですか?」

「ギルドだ。手頃なクエストがあったらやろうと思う」

「ご一緒します」

「妾もゆくぞ」

「独りで大丈夫だ。アニラとセルビナにはイヴのことを頼みたい」

「妾のこと?」

「ああ、今夜のな。強がってるけど不安が伝わって来るからさ」

「なんてお優しい、さすがミウ様っ」

「そういう訳だからよろしく頼むよ」

「お任せ下さい。さあ行きましょうイヴさん」

「う、うむ」


ギルドに入り、依頼を見ていると良さげなクエストがあったので受注した。


内容は巨大な蜂型の魔物の討伐と巣の除去。Bランククエストで報酬も結構良い。


一度宿に戻り準備を済ませて出発した。


記述されていた場所に着くとでかい蜂の魔物が沢山飛んでいた。『月明爪』を抜き、斬って斬って斬りまくった。外殻は硬そうだったが問題なくスパスパ切れた。本当にこの直刀は素晴らしい。


巨大な巣から女王蜂が出て来たので俺は手の平を向けた。


「杭っ!」 グシャ。


最後に『粒』を撃ちまくって巣を粉々にした。


討伐証明の女王蜂の羽と巣の残骸を持ってギルドに向かい報酬を受け取り、足早にガールズの元に向かった。


「ミウ様っ」


俺が部屋の扉を開ける前にアニラが出て来て抱き付かれた。


「ただいま。よく分かったな」

「においがしたので。お怪我はありませんか」

「大丈夫だよ」


部屋に入るとイヴとセルビナが安心した様子で近寄って来た。受けたクエストの話をした後、4人で晩飯を食べに出た。


宿に戻り風呂に入った後、俺はバルコニーに出て夜の海風に当たっていた。


今日は晴れてて星がよく見える。


コンコン。


どうやらイヴが来た様だ。

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