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邂逅②


「おおっ…!?」

「これは水の…」


「シューティングスターッ!」 バシュンッ!!


「ビェェ〜ッ!!」


「速い!今のは光の属性魔法か!?」


それぞれが高威力の魔法、それを受けたシルバーフェニックスはバランスを崩して地上に下りた。


「トドメは譲るよオッサン!」

「ウム!」


「狂刃乱斬舞っ!」 ズバババババッ…!!


「ピィギィィィ…!」


「破砕拳っ!」 グシャアアアッ!


ドシャッ。


凄まじい速力で接近した2人によってシルバーフェニックスは全身に荒々しい斬撃を受けた後、硬化魔法を施した拳によって頭部を砕かれ倒れた。


「ミウとミミル君から話は聞いていた…まさか君達が来てくれるとはね。助かったよ、ありがとう」


エウル、アギレ、エルティー、バーセアは様々な笑みを浮かべて親指を立てた。


とても仲の良いパーティーなんだな。あれ、そう言えば当のミミル君は…?


ーーーーーーーーーー


「サンダーボルトフィールドッ!」


バチバチバチバチィッ!!


「ぐああ〜!!」

「ぎぇああーっ!!」


「さらに〜ハイボルテージフィールドッ!」


バリバリバリバリバリィッッ!!


「あが…」

「ぐお…」


シュゥゥゥ……。


突然現れた激しい雷撃によって聖騎士達は原型を留めずに全員消し炭の様になった。


それにしても危なかった、咄嗟に『鎧』で全身を覆ったが判断を間違えて『盾』を出していたら俺もただでは済まなかっただろう。やってくれるな相棒。


「…おいミミル」

「ご、ごめん」


思った以上に真剣みを帯びた表情だったので責める気にはならなかった。


「はぁ…助かった、ありがとな」


そう言って笑いかけるとミミルは珍しく照れていた。


「どういたし…」

「ちょっとミミルの姉さん!酷いですよ!」

「そうっすよ!」

「せっかくボスの御力になれる機会だったのに!」

「あはは…ごめん〜」


文句を垂れながら現れたのは『創造士の眷属』だった。とは言え少数、中にはリーダーのキリルが居る。


「キリル、来てくれたんだな」

「当然ですよ、ボスの為ならどこへでも」

「そうか」


俺は久しぶりに会ったキリルと握手をした。


「ねえミウくん、勝ちでいいんだよね?」

「それが…前に話した聖騎士、覚えているか?」

「もちろんだよ〜。ミウくんを殺した奴でしょ、確かファイブマスターだっけ」

「ああ。別人だがオレヴィってファイブマスターが居たんだ。話を聞こうと思ったが…逃げられてしまった。奴が神国に戻り、俺達のことを報告されるとまずい」

「確かに…。追う?」

「さすがに難しいな。それに奴の仲間が近くに居ないとも限らない」

「う~ん、確かに危険かもね」


「ミウさーん!」

「おおエウル、4人ともありがとな。お陰で助かった」

「ふふん、どういたしまして〜」

「ウム、これしきのこと仲間なら当然である」

「役に立ててよかったぜ」

「ん、アギレ…いや、4人とも強くなっているな」

「もちろんだ、ただの伝言役って訳にはいかないからな」

「その通りである」

「そう言うこと〜」

「今みたいにミウさん達とともに戦場に立つ時、力不足の足手まといなんて嫌なので」

「そうだ、役不足で頼られなくなったらきついよな」

「確かに〜」

「そうであるな」

「…そうか。お前ら、その気持ちだけでもありがたいよ」


そう言うとエウル達は照れくさそうにした。


「ミウさんの言葉はいちいち心に響くよな」

「そうだね〜」

「ウム」


「ミウ、怪我はありませんか?」

「俺は割と平気だ。ティオのお陰でオレヴィを圧倒できたからな」


そう言いながら側に来ていたティオの顔に着いた汚れを指で拭った。


「うん…よかった」

「ミウ、少し休んでから戻るかい?」

「いや、移動してから休もう」

「そうですね。長居はしない方が賢明です」

「確かに、新手が来て連戦にでもなったら大変だね」

「取り敢えずエンカを呼ぶ」


俺はエンカの髪飾りを取り出して魔力を込めた。


数分後、『鬼門』が出現して中からエンカが、離れた所に在る岩陰からトウスイが現れた。


トウスイはミミル達を連れて来た後、ずっと潜伏していたのか。確かに姿を見られるのは避けたいよな。


「お疲れ様…ってここシスレ大草原よね?」

「ああ、今は焼け野原だが」

「まあ話は戻ってからにしましょう。行くわよ」


「それじゃあまたな、お前らも」


俺はエウル達と『創造士の眷属』の面々を見て言った。


「ボス!またいつでも呼んでください!」

「たまにはマリカ嬢に会いに来てくださいよ」

「そうだな」


「ミウさん、私達は変わらず『商都レムイノ』を拠点に待機してるから。また何かあったら言ってね」

「ありがとう、心強いよ」

「まあ取り敢えずは一度『ユリオン』に戻って報告だな」

「あ、恋人達から伝言だよ〜」

「えっ」

「変わらず愛してるってさ」

「…そうか」

「ミウさんから何か伝言はないのか?」

「毎日欠かさず、同じ空を見上げて想っている。と伝えくれ」

「ははは、さすがミウだね」

「そうですね…簡素だけどよい言葉です」

「うん、ティオもそう思う」

「ミウくんはほんと罪な男だよね〜」

「ほら、話が終わったならさっさと行くわよ。トウスイ」

「承知した」


エウル達と『創造士の眷属』の連中はトウスイとブォモル平原へ。俺達『女神の聖槍』はエンカと鬼人族の隠れ里へ転移した。


ーーーーーーーーーー


おのれ極悪人どもめ。


急ぎエリシオンに戻ってマスター達に招集をかけねばっ……ん?なんだこの妙な魔力は。


今まで感じたことのないものだ…念の為調べておくか。先の戦いで疲弊しているが神国の回復薬を飲んだから問題ない。


この森の中から感じる…見たところ迷う程の大きさの森ではないな。


中に入り歩いていると木の陰から少女が現れた。いや、童顔なだけで見た目より上の年齢か。それにしてもこの魔力は一体…?


「あ、もしかして勇者さん?」

「勇者…?違う、俺は聖騎士だ。君はこんな所で何をしているんだ」

「あー聖騎士かぁ、残念」

「質問に答えるんだ。君はここで何をしている」

「人探しだよ」

「勇者を探しているのか?」

「そうそう。この近くに現れるって『預言者』が言ってたんだけどナー」


預言者…?それより勇者とは…確か『大国リオンクライ』にそんなのが居たな。まあ勇者なんて名ばかりで魔王討伐は我ら聖騎士が成したがな。


「なぜ勇者を探しているんだ」

「殺すためだよ」

「なっ…!?」

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