自分の固定概念
スタンピードが迫っていること知らされたため、銀色の風で会議を行う。いつもあまり話さないジャックさんがまず話し始めた。
「いつも通りでいいんだよな?」
「うん、いつ通りジャックが前衛、私が中衛、ローラが後衛でいいんじゃないかな?」
「そうね」
俺を除く3人で会話が進んでいく。でもこれはしょうがない事。俺はまだ銀色の風に加入して日が浅い。ここで俺も戦闘に参加すると連携などが崩れる可能性が高い。
「アッシュくんは別の依頼が来ているわ」
「俺にですか?」
「うん。バフ付きのポーションをできる限り多く作ってほしいとギルドから言われたわ。できれば300個ほど」
「それは...」
300個...。スタンピードがウーディネに近づくのにおよそ3日。俺が1日に作れる最大個数は現状50個ほどだ。2倍のポーションを作ることは今の俺には無理だった。
「アッシュくんは残りの日数で何個作れる?」
「150...。いや200前後は作れるかもしれません。でも300個は...」
「そうだよね。一応できる限りって言われているから頑張って作ってみて。今日から別々行動だけど大丈夫?」
「はい」
ここで俺だけ席を離脱して部屋に戻る。はっきり言って俺の魔力量では1日作れるのは50個が限界。でも希望されている個数は300個ほどである。到底今の俺では無理なこと。
俺が作っているポーションを他の人にも作ってもらうのが一番手っ取り早い。でもそれは限りなく無理に近い。普通のポーションなら誰でも作れるだろうが、バフ付きのポーションになると魔素を取り込む作業と俺の魔力が必要になる。もしかしたら魔素を取り込むことができる人はいるかもしれない。でも俺の魔力はどうする? 魔力量的に限界なのに俺の魔力が必要になるなら本末転倒だ。
(どうするか...)
悩んでいてもしょうがない。今できることをしよう。俺はポーションを作り始める。数時間ほどしてポーションを50個ほど作り終えるとグッとだるさが来た。
そして次の日。いいアイディアが出てこず、今日も50個作って一日が終わろうとする。
(このままでいいのか? 俺が作るポーションで人一人の命が助かるかもしれない)
作れない自分に葛藤しながらベットの中で横たわる。そこでルミアさんと話していた時のことを思い出す。
{調合士って職業はいろいろなことに応用が利くんじゃないかな?}
そうか...。俺は調合士っていう固定概念に縛られていたのかもしれない。もしかしたら...。もしかしたらこの方法でポーションではない方法でバフをかけられるのかもしれない。
俺はすぐさまローラさんのもとに向かった。




