褒美
退院するまでルミアが毎日看病してくれた。痛みがないとはいえ、ずっと寝たきり状態だったから体がなまっていた。
「今日退院だね」
「そうだね。本当にありがと」
「いいえ」
そして一緒に病院を出るとジャックとローラが外で待っていた。
「退院おめでとう」
「ありがと」
「お! ラブラブですね~」
「!!!」
付き合い始めたのをルミアがジャックとローラに伝えてから、毎日会うごとにジャックが俺たちを茶化す。するとルミアの顔を真っ赤になっていた。
(毎日この光景を見てるな...)
「おい。それが最初に言うことかよ!」
「悪い悪い! 退院おめでと。これから王宮行くけど大丈夫か?」
「あぁ」
それにしてもなんで王宮に? 褒美でももらえるのかな? でももらえるぐらいの仕事はしたと思うからな...。4人で他愛のない話をしながら王宮向かった。
王宮内に入り、数分待つと王室に案内されて中に入る。
(なんでこいつらが...)
王室には勇者パーティがいた。ロイはぎこちない顔で、イリーナは心配しているようにこちらを見てきた。他のメンバーもよく分からない顔で俺を見てくる。でも前みたいに悪意がある目じゃないことぐらいわかる。
「銀色の風。よく来てくれた。スタンピードの件。本当に助かった」
パーティリーダーであるルミアが答える。
「当然のことをしたまでです」
「今回勇者パーティは長期遠征でいなかった。だから銀色の風に最大級の褒美をやろう。何がいい? なんでもいいぞ」
「...。いきなりのことで思いつかないので、もう少し時間をいただいてもよろしいですか?」
「うむ。わかった。次に勇者パーティ。おぬしらにも報酬をやろうと思っている。何がいい? 叶えられる範囲で言って申せ」
「では。アッシュを勇者パーティにもう一度加えたいです」
ギルドであった時、あんなに敵意をむき出しにしていたから銀色の風の全員が驚きを隠せなかった。
「そうか...。ルミアよ。おぬしはどう考えている?」
「アッシュは銀色の風の一員です。渡すことはできません」
ルミアが言ってくれたことにホッとする。
「そうか...」
「先ほどの報酬の件。思いつきました。勇者パーティの全員がアッシュに近づかないこと。これが私、私たちの願いです」
(そんなことに使っていいの? 嬉しいけどさ!)
「わかった。勇者パーティはアッシュに面会することを禁ずる」
国王の言ったことに勇者パーティの全員が唖然としていた。その後、勇者パーティの報酬は後日に回すことで収拾がつき、王室をでる。
するとイリーナが俺に向かって
「アッシュお願い! 戻ってきて!」




