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仲間の信頼


 最前戦に着くとルミアさんとジャックが危機的状況であった。


(このままじゃやばい!)


 縮地と隠密を使いすぐさまルミアさんたちに近寄る。ルミアさんがよそ見をした瞬間オーガが斧を振り下ろしていた。一撃目は防げていた。でも二撃目は防げそうになかった。


(間に合え!)


 すると先ほどまでの速さを絶するほどのスピードが出た。そのままオーガを殺していく。


「助けに来たよ」


 俺がそう言うとルミアさんが腰を落とした。


(Sランク冒険者と言えど一人の人間)


 俺がルミアさんを守れる位置でオーガを倒していく。少し時間をおいてからローラさんたちも合流しそうになったところで俺はジャックさんの方に向かう。


「あ、アッシュ...」


「大丈夫です。ローラさんたちが来てますから。俺はジャックさんのカバーに入ります」


「う、うん...」


 そんな顔しないでくれ....。すると


「私たちがジャックの援護をしますからアッシュはルミアをお願いします!」


「わかった」


 その後、オーガを数体やってきた。標的はルミアさん。


(こいつら...)


 本能的に弱っている奴から殺すって考えているのだろう。でもそんなことさせない。ルミアさんに意識が行っている時、隠密を使いオーガをことごとく殺していく。


「ありがと...」


「いえいえ。こちらこそありがとうございます」


「?」


 俺を銀色の風に誘ってくれてありがとう。俺を信じてくれてありがとう。それ以外にもいろいろとお礼を言いたかった。一通り倒し終えて、ローラさんやジャックさん、他の冒険者さんたちと合流する。


「アッシュ...。お前、眼が...」


「はい。常時魔眼状態になってしまいました。でも気にしないでください」


「あぁ...」


「それで戦況は?」


 あたりに魔物はいない。でも他の場所ではどうなってる?


「今のところ五分五分ッてところだな」


「わかりました。では皆さん、今から魔法をかけるので俺の前に立ってください」


「ん? おう?」


 ジャックさんが言ったのと同時に全員が俺の前に立ち始めた。俺は先ほどローラさんたちに魔法をかけたようにここにいる全員にも魔法をかける。


「え? 痛みがなくなった。どういうことだ? それに力がみなぎるような...」


「無属性魔法です。これで皆さん最低限戦えると思います」


「おう? でも無属性魔法って...」


「それは後で説明します。今は目の前のことに専念しましょう」


 全員が頷いて、次の場所に向かおうとした時、ドラゴンが現れた。


「これは...」


「あぁ。やばい...」


 ドラゴンはSSS級モンスター。俺たちだけで何とかなるわけがない。でもどうにかしなくちゃ...。なら...。


「ルミアさん、ローラさん、ジャックさん以外は他の援護に行ってください。ドラゴンは俺たちで倒します」


 一人の冒険者が言う。


「でも...。そんなこと...」


「それしかないんです。お願いします」


「わかった」


 ここにいる冒険者が全員去っていって


「皆さん。ごめんなさい。俺の独断で...」


「いいって。アッシュが来なかったら俺たちは死んでた。なら一度ぐらい銀色の風全員で戦ってみようぜ」


「そうですよ!」


「うん! それに私たちの方がアッシュさんを巻き込んでしまいました。だから謝らないでください」


「そうだぞ」


「そうです。初めてのパーティ戦。楽しみましょう!」


 みんなお人よし...。本当にみんなバカかよ!。逃げるって選択もあるのに...。でもこんな人たちだから俺は信頼したんだ。


「では行きましょう!」


「「「(うん、おう、はい)!」」」


 こうして初めて銀色の風全員で戦闘が始まった。

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