スタンピード2
覚悟はしていたけど無意識に魔眼が開放されていたなんて...。
「アッシュくん...。大丈夫?」
「はい。大丈夫です」
「でも眼が...」
「わかっていたことです。もう覚悟はできています。それよりも目の前のことに専念しましょう」
俺なんてどうでもいい。俺の命一つで多くの人を救えるなら安いものだ。ローラさん以外の2人はどこにいるんだ?
「2人はどこにいるのですか?」
「ルミアとジャックは戦闘に出ているわ。今から向かおうと思っていたところだから一緒に行きましょう」
「はい。後勇者パーティはいないのですか?」
「長期でダンジョン攻略しに行っているらしくて今回参加していないわ」
「そうですか...」
なんでこう言う大切な時に限っていないんだよ! 俺とローラさん、数名の冒険者で最前線に向かう。途中途中魔物が出てくるがローラさんの魔法で倒されていく。
(近い)
魔素がものすごく乱れている。最前線がもうすぐってことがよく分かる。俺はここにいる全員を一旦引き留める。
「皆さん。魔法をかけるのでいったん止まってください」
「うん?」
まず最初にローラさんが止まってくれて、それに続くように周りの冒険者も止まってくれる。朝練習した通り、右手に光玉を出して、左手に水玉をだす。それを複合させて右手に緑玉を作り、それと同時に左手に火玉を生成させてもう一度複合させる。
すると白い靄みたいなものが完成した。これを見てローラさんが尋ねてくる。
「それって...」
「はい、無属性魔法です」
「無属性魔法って使える人がいなかったんじゃ...」
そう。いまのところ無属性魔法を使える人はいないとされている。だからバフなどはアイテムでしかすることができない。
「では皆さんにかけさせていただきます」
俺はここにいる全員がまとっている魔素と白い靄を組み合わせて魔法を放つ。全員がまとっている魔素を組み合わせることによってその人が拒絶反応を起こさない役割、そして体に含んで強化される役割をしている。すると一人の冒険者が
「これってバフ付きのポーションと一緒なんじゃ...」
「はい」
一般的にバフ付きのポーションは身体強化しか含まれていない。だからそう思ったのだろう。
「それだと時間が経ったらだるさとかが出るんじゃないのか?」
「そこは自分の魔法で変えているので大丈夫です。では行きましょう」
全員にバフをかけた状態で最前線に向かう。その時、横からオーガが出てきた。俺は風魔法である縮地と闇魔法の隠密の複合をして戦う。縮地を使って接近する際、必ず敵のターゲットは俺になる。それを隠密の魔法で気配を消して倒す。調合士かつ魔眼持ちの俺にとって魔法を組み合わせることはとても簡単だった。




