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スタンピード1


 無茶をして魔法を完成させたのに使う機会を失うわけにはいかない。手紙には「待っていてください」と書いてあったが無理に決まっている。俺が弱いのは承知している。それでもいかなくちゃいけない。ここで行かなくていつ行くんだよ。


 俺はウーディネを出入りする門に向かう。


(闇属性の魔素ばかりだ...)


 これがどんな意味をしているのかはわからない。でも非常事態なのはわかる。ウーディネ内を走っているといたるところで悲鳴声や負傷している冒険者などが見られた。


(頼む...)


 ウーディネを出ようとしたところで騎士らしき人物に話しかけられる。


「おい! 外は危険だ。国内にいてくれ」


(危険なのはわかっている!)


「銀色の風の一員だ。アッシュと言えばわかるか? 一刻を争ってるんだ!」


「アッシュ...! もしかして勇者パーティの...」


「元だけどな。いいだろ?」


「あぁ。でも噂によれば...」


 噂? そんなのどうでもいいだろ! 


「そんなの関係ない。止めるならお前と戦うことになる」


 覚悟は決めている。


「あぁ。わかった。言っていいぞ。それよりも左眼が...」


「助かる」


 急いでいたため最後の方が聞き取れなかった。それにしてもどこで魔法が使われているかが分かる。こんな気分は始めてだ。すると東南方面で複合魔法らしき魔素の動きが見れた。


(あそこだ)


 すぐさま走って向かう。道端で座っている人。負傷している人には予備で作っていたポーションを渡す。森林に入ると魔物がうじゃうじゃしていた。そんな時俺の目の前にゴブリンが数体現れた。


(邪魔だ)


 左手に火玉ファイヤーボールが無意識に発動していた。なんで魔法が発動したのかわからなかったが、火玉ファイヤーボールをゴブリンに当てて怯ませている状態の時に短剣で首を刺してとどめを刺す。その後もウルフやコボルト、トレントなどを倒していく。


(あれ? なんで俺は戦えているんだ?)


 その時、偶然出会った冒険者パーティの1人が言う。


「!? 隠密をずっと使っていると味方に殺される可能性があるから気をつけろよ!」


(は? 隠密なんて使ってないぞ)


 その人の言葉を無視して走り去っていく。10分ほど走ったところでやっと最前線らへんまで来ることができた。冒険者が集まっているところに入るとローラさんと眼が合う。


「アッシュくん!」


「ローラさん!」


「なんでここにいるの? 早くウーディネに戻って」


「いえ、俺もここでサポートに徹します」


 そう言うとローラさんが怒鳴り始める。


「朝倒れた病人がなにできるの!」


「だからサポートを...」


 すると呆れたような目で


「まあ今から帰る方が危ないよね...。それよりも...」


「???」


 了承してもらえてよかった。でもなんで深刻そうな顔で俺を見つめるんだ?


「眼が...」


 ローラさんに水の入っているコップを渡されて自分の顔を見てみる。


(!?)


 左眼の虹彩が青く、瞳孔が赤くなっていた...。



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