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君色 ~君は何色に染まる?~  作者: 林 凛夏
4/12

3.笑顔と太陽みたいな彼女

今回短めです!

更新お待たせしました!

「えー、推しかぁ……。私あんまり芸能人に興味なかったから、このグループ、えとSCAIRスクエアーだっけ?も由紀ゆきから聞いて初めて知ったからなぁ」

 由紀のプレッシャーに負けてぽろりと本音をこぼすと

「え、あ、そうなの!?てっきり即決で行く、って言ってくれたからこのグループのファンなのかと思ってた」

 彼女は驚きながら、それでいて申し訳なさそうにそう言った。

「ごめんね、嫌じゃなかった?」

 何を思ったのか急にしおらしくなって恐るおそるこちらをうかがい始めたけど、

「行くって言ったのは由紀ともっと仲良くなりたいって思ったからだよ」

 たぶん私の言い方が誤解させたんだろうな……。

 私の言い方だと、“興味はないけど友人の誘いだったから断らなかった”って聞こえなくもない。

 あー、言い方まずったなぁ……。

 芸能界に興味がないのは私個人の好みではないってだけで、言わないほうがよかった。

 なんて、誰かに言い訳するように心の中でぶちぶち唱える。


美曲みわ、無理してない?」

 彼女はまだ少し不安げだ。

 あんまりよく見えていないけど、たぶん犬の耳が生えていたらペタンとたれているんだろうな。

 私が不安にさせたんだ。

「無理してないよ」

 ほんの僅かも不安を与えないように、完璧な笑顔でそう答える。

「連れてきてくれてありがとう、由紀」

 嘘をついているわけではない。でも、この言葉は本音でもない。

 私は彼女に秘密にしていることがあるから。

 ううん、彼女だけじゃない。ほかの人、全員に対して。



 私は一度も本音で話したことが、ない。

 これからも変わらないだろう。



「そっか……、そっかっ!!ふぅ~、よかったぁ」

 彼女は何度もそっかそっか、と自分に納得させるようにうなずいて

「なら、私が今日SCAIRの魅力を語りつくしてあげる!美曲に好きになってもらうために。いやぁ、絶対好きになるよ!なんせ何の情報も持たず、ファンでもない美曲が初めて推しとご対面するんだもんね。推しの力がいかに偉大か、その身をもって知るといいよ!!」

 そう熱く宣言した。

「今日来てよかった、って言ってくれてる分の働きはしないとね!SCAIRファンの一員として!」

 彼女は私にはもったいないくらいまぶしい。

 純粋に彼女の日々を楽しんで、笑って、泣いて、時には苦しんでいるんだろうけど……。

 でも、‟生きてる”。ちゃんと彼女の人生を謳歌している。

「お、じゃ、お手並み拝見といたしましょうか?」

「ぷぷー、何様ww」

「えーんとじゃぁ、美曲様で!」

「おかしww」

 どうでもいいような茶化した返事でしかこの場をあたたかくできない私とは違って。

「はー、笑った笑った。……と、そろそろ進むか。美曲、手、離さないようにね」

 彼女はきっと……。


「ありがと、由紀」


 私は上手く笑えているだろうか。

次は由紀側から書いてます~。

太陽みたいにまぶしい彼女が何を思っているのか、ぜひ読んでみてください!


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