登場人物紹介(ハンス・ブッカー)
ハンス・ブッカー(28)
183cm71kg
短めの黒髪に眼鏡の男。目は切れ長の二重で、いつも穏やかそうに笑っている。ただし大体において目は笑っていない。長身痩躯に見えるが、実際はそこそこ筋肉がある。声は低く穏やかな、いわゆる「イケボ」。
ワイズマン家の執事。ジャニスへの依頼の取り次ぎは彼が行っている。ジャニス自身は愚鈍ではなくむしろ頭が切れる部類だが、転生者が絡んだ事件の推理などは彼が担うことが多い。
性格は慇懃無礼で性悪。特に転生者や犯罪者に対しては、わざと弄ぶような言動を取る。「外道にして鬼畜、執事じゃなかったら関わりたくない奴」というのがジャニスの評価。ただ、正義感は強く法律の遵守ということには強い拘りを持っている。
「〜ですな」「〜故」といった昔ながらの執事言葉を使う。暴言は決して使わず、タメ口で話す相手もヒイロやフリードなどごく限られている。ジャニス曰く、最近どんどんジジ臭くなっている。
ジャニスとは生まれた時からの付き合いであり、付き人兼教師として5歳から仕えている。後述の理由から天才として扱われていたのもこの背景にある。
10年前のセルフォニア皇国クーデターでジャニス共々家族を失い、レヴリアに亡命。その後はフリード皇太子の庇護の元、転生者を狩る「祓い手」として生計を立てている。
ジャニスとは表向きはただの主従関係。ただ、内心では呼び捨てにしている辺り、実質的な関係はまた違ったものであるようだ。また、彼女の宿願であるセルフォニア奪還に全面的に協力している。
友人はほとんどいない。ただ、ヒイロとフリードとは腹を割って話せる関係にある。
趣味は魔術書研究。料理の腕も素人としてはまずまずであり、グルメでもある。ただし少食で酒にはそれほど強くはない。
武器は革グローブ。アマリアという革と反応することで強力な睡眠作用を持つ樹液に浸したものであり、口に当てれば1秒で昏倒する。多くの場合、彼が使うのはこの武器だけである。
武術はまずまずの腕。魔法は後述の「恩寵」しか使えないため、素の戦闘力は低くはないがその道のプロには劣る。ただし、恩寵込みの能力は間違いなく世界最強に近い。
実は生まれながらの転生者。憑依先となる魂がないため、その「魂の色」は転生者特有の「赤」でも転生者が完全に受肉者を乗っ取った「紫」でもなく、この世界の人間の「青」である。
このため、ハンスを転生者と知る人間はほとんどいない。身近に長年いるジャニスも知らない、と思われる。
また、魂の色がこの世界の人間であるため、転生者の特殊能力「恩寵」を使えるにもかかわらず、ジャニスの「恩寵無効化」の対象にならない。
恩寵「時を統べる者」 恩寵レベル5
自分と自分が触れている物の時間を好きな程度加速・減速できる。主に加速が使われる。極めて強力な能力で、「2倍速」だけでもほぼ全ての武芸者は対応できない。「10倍速」ともなれば、ただのパンチが致命傷になる。
なお、加速倍率が大きいほど持続時間は短くなる。例えば5倍速だと20秒である。
「切り札」を使えばどんな相手でも確実に殺せるが、あまりに反動が大きいのと周囲への被害が大きいため、人生で使ったのはわずか3回のみである。
半沢秀一(享年25)
176cm68kg
短い黒髪に眼鏡、切れ長の二重という特徴はハンスと同じ。人種的な違いはあるものの、生前と転生後の見た目はあまり変わらない。
1995年に「あるテロ事件」で死亡したキャリア警察官。被害者の救護中に亡くなったようである。詳細は現状不明。ここからも分かる通り、ハンスの実質的な年齢は53歳である。
なお、前世の世界についての知識が28年前で止まっているため、転生者であるヒイロとミミからは色々聞き取りをしているようだ。