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センキュー・フォー・メリーメリークリスマース!!
1999年 12月22日 カリフォルニア州 サンノゼ
これから更なる発展を遂げ、シリコンバレーの中心都市としての繁栄を約束された町である
時刻は19時20分
クリスマス前という事もあり普段以上に通りは活気で溢れていた
色とりどりに光るイルミネーションライトが町中をピカピカと照らす
マックス・アンドリューは裕福な家庭で育った10歳の少年だ
彼の父は某IT企業に勤めており、収入は潤っている
家には最新型のWindows98からプレイステーション、ニンテンドー64と一通り完備されている
ジリリリリ……
電話が鳴り、マックスが受話器を取った
「ハロー、こちらマックス。」
「おうっ マックス、パパだ。」
マックスの父、ジョンからの電話だった
「パパ! どうしたの急に? また今日も残業?」
「ああ。ファッキンサーバーがイカレやがって……今日も帰れそうにない。」
「……そうなんだ……」
マックスの声が沈む
「その代わり、今年のクリスマスはマックスの好きな物をなんでも買ってやるぞ。何が欲しい?」
「……じゃあ、ドリキャスが欲しいな。あと、クリスマスケーキはピーナッツバター味のケーキがいい!」
「もちろんだ、マックス。今年のクリスマスは最高の日になるぞ!」
ジョンは嬉しそうに続けた
「マックス、お腹がすいたらいつでも3丁目のトムのとこで特大ピッツァを注文するといい。コーラ付きでな。」
「分かったよ、パパ。お仕事がんばってね。」
「おう、アイルビーバック!」
ジョンは一昔前に流行った「ターミネーター2」の名言を放って、電話を切った
マックスは肩を竦めて受話器を置く
今年の5月に母が亡くなってからというもの、父は頻繁に冗談を言うようになった
きっと家庭を明るくしようと父なりに努力しているのだろうとマックスは子供ながらに感じていた
「今日は何をしようか?」
マックスは一人呟く
両親が不在の4LDKの一軒家はマックス一人にとっては広く、それがより一層寂しさを感じさせた
ちらりと時計を見る
時刻は19時30分
何か面白い番組はあるかなとテレビをつけてみるものの、物騒な銃撃事件やデモのニュースばかりだ
マックスはうんざりしてテレビの電源をきる
その時、ブラウン管式テレビの上に置かれた写真立てに目がいった
「懐かしいな……」
去年のクリスマス、家族3人でゴールデンゲートブリッジを背景に撮った写真だった
「パパもママも幸せそうな顔しているな……」
マックスの目には自然と涙が滲んでいた
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