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ちょっとした少しで

作者: 宮野 楓

 

 ねぇ、聞こえる?


 あの空を今も見てる?


 アナタは馬鹿みたいに優しくて、お節介で、そして愚かだったね




 ねぇ、聞こえる?


 今も笑っているの?


 アナタは馬鹿みたいに優しくて、お節介で、そして臆病だったね




 ねぇ、聞こえる?


 何処かでまだ期待しているの?


 アナタは馬鹿みたいに優しくて、お節介で、そしてこの世界に可能性を感じていたね





 この世界に救いなんてない

 愚かで、優しくなくて、自分だけを見ている人間が生きやすい世界だよ

 それでも、もっと早く伝えれば良かったかな





 ねぇ、聞こえる?


 ありがとう


 感謝している





 アナタは言葉でたくさんの人を救った


 私も


 でもアナタは言葉で死んだ





 ちょっとした何かで救われることがあれば

 ちょっとした何かで壊れることもある



 それは特別でもなんでもない

 本当に誰にでもできる

 ちょっと少しの言葉


 

 そして生きやすくなる呪文

 


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