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0:プロローグ

ここを見て下さった方、どうも有難うございます。

拙い小説ではありますが、楽しんで頂けたら幸いです。


よろしくお願いいたします。




 イヤだねぇ、生き生きしちゃってもう。

 青年は動揺することもなく、息荒げにこちらを睨みつける巨獣と相対する。


 巨獣……いや、それは戎物クリーチャーと呼ばれる存在。平たく言えば、動植物が何かの切っ掛けで異形へと変容してしまったモノだ。


 コイツはイノシシのような形態をしてはいるけれども、その身体を構成しているのは禍々しく変異を遂げた植物。ツタや枝や葉が幾重にも連なって、青年の三倍はあろうかという巨体と化している。


 空気を震わせながら咆哮し、こちらを威嚇する戎物クリーチャー


 縄張りにでも踏み込んじまったか? と青年は考える。にしても、山道のど真ん中で遭遇するとは。麓の宿での忠告通り、厄除けの鈴とやらを購入しておくべきだったか。


 考えている内に、戎物クリーチャーは地面を揺らしながら巨体をこちらに突っ込ませてくる。岩石が坂を転げてくるような、すさまじい圧力で。


「あー……」


 青年は斜め後方へと瞬時にステップし、その突進をさっと回避する。パワーとスピードは見た目通り。しかし攻撃は直線的で単調そのものだった。


 と思った矢先。動きを切り返した戎物クリーチャーの体内からツタが数本飛び出し、鋭いムチのような勢いでこちらを襲う。意外とテクニカルなこともするようである。


 しかし青年は上手い具合に身体を捻り、この攻撃も見事に避けきってしまう。


「なんか悪ィ、ちょっと馬鹿にしてた。取り敢えず謝っとくわ。でさ、モノは相談なんだけど……」


 再び咆哮を放つ大型の戎物クリーチャー


「話し合いの余地なし、か。じゃあここは大人しく逃げ――――」


 しかし青年が振り向くと、いつの間にか四方八方を同様の戎物クリーチャー達に囲まれてしまっていた。それらは目の前の大きな個体と比べれば小さいけれども、数が多い。ざっと見ただけで、十体以上はいた。


「あー……」


 青年は不本意極まれり、というため息をつく。


「……頼むからさ、ヘンなのよこすなよ」


 ボリボリと頭を掻きながら、青年は面倒そうに呟いた。


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