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過去を見る、未来を眺める。  作者: あびのすけ
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第1話「触らないで」

第1話です。

初作品です。色々おかしな部分があると思いますが、どうか暖かい目でご覧ください。

人に触れた 

その瞬間に目の前は真っ暗になり、無数の映像フィルムが俺を囲い込む。そして右から一つずつ、何十本、、何百本、、何千本と映像が流れていく。

俺は触れたその人の過去を見ているらしい

嬉しい映像、悲しい映像、たくさんの映像が流れ、その人の過去を鮮明に全て知ることができる。

そして一瞬にして元いた場所に戻ってくる。

頭の中では何十年も映像を見続けていた感覚だが、現実では1秒も経っていない。

この能力は人に触れただけで自動的に発動する。俺の意思などは全て無視。

自分の意図していない時に誰かに触れられれば発動するし、自分の不注意から誰かとぶつかっても発動する。

この能力のせいでたくさんの人に変人扱いもされた、、

自分ではどうしようもできない何十年間の過去の旅。


「もううんざりだ」


第1話 「触らないで」


「え?何か言った?」

俺の方を少し驚いた様子で見てくる。名前は坂ノ上優人、

背がクラス内で最も大きいが体型はひょろりタイプのやんちゃいじられキャラ、ごぼうとゆうあだ名が付けられてるが本人はそのあだ名を気に入ってる。

中学の頃からの仲で一緒にいる事が多い。

高校3年の秋とゆうことあり受験に向け早くから二人で学校に来ていた。

ここで自分のわかる範囲内で能力のルールを話していく。

ルール1

特定の人物の過去を見るのは1日に1回だけ、つまり次の日になりまた触れれば同じ過去を見せられる、俺はこの坂ノ上の過去を何十回と見てしまっている。

ルール2

見れるのはその人自身の過去のみでその人自身の目線で映像が流れる、その時間帯に他の場所で何があったのかなどはわからない。

今の所わかってるのはそれ位で他にもルールがあるのかもしれないし、これだけしかルールがないのかもしれない。


「やっぱ小阪って変なやつだよな」


「何回目だ?それ」


「何回言っても足りねぇよ」


ちなみに俺の名前は小阪七緒人(こさか なおと)必ず七緒人の部分で何て読むの?と質問される。それも結構うんざりしてる。


今は丁度8時25分、30分から始まる朝の集会まで完全着席をしないといけないこの学校のルール上次々に焦った様子で生徒達が教室に入ってくる。

俺は急いで席を立ちある場所に向かう。


「おーい!小阪どこ行った~!?」


坂ノ上が俺を探してる。

次々に走って教室に入ってくる生徒達にぶつかれば、また何十年の過去を見せられてしまう。

全員が着席するまで教室の隅のカーテンに身を包み込むのが俺の日課、、


「小阪くん何してるの??」

すーっと俺に手が近付いてくるのがわかった。

「へぶぶ!!」

ガタッ!!

手が近付いてきてるのはわかってたはずなのに、不意打ちすぎたのか声にならない奇声を発してしまいその場に倒れてしまった。

「小阪くん!?大丈夫?」

こいつの名前は渡辺理科。

彼女も中学からの仲。

身長が小さくそれをコンプレックスに感じているが、クラス内では身長も含め顔もかわいいと評判、彼女の人柄もあってかアイドル的な存在になってる。


坂ノ上が倒れた俺の横で爆笑している。

「まじでやめろ!腹が!」

「やめろ!」

ったくこっちの事情も知らないで、、まぁ話せるわけもないんだが、、


キーンコーンカーンコーン


「よーしお前ら席につけー」

担任の林がチャイムと共に教室に入ってきた。

「やべっ!完全着席だった!」

「ほんとだ!ほら!小阪くんも早く!」

「お、おう!」


こんな風に能力のせいで落ち着かない日々を過ごしてるけど中学からの友達が二人も同じクラスにいる今は凄く恵まれた環境にいるんだと思う。

後数ヶ月の高校生活、これからみんなと辛い受験勉強をする事になる、それでもたくさん遊んで、たくさん笑って、たくさん思い出を作っていく。

そんな最高の時間を過ごしていく中で


能力の事なんか忘れてしまえばいいのに


「夏休みも終わってまたみんなで揃えたのはよかった。」朝の集会が始まり担任の林が話を始めた。学校の周りで何が起きたのか、学校内で何が起きたのか、など正直どうでもいい内容ばかり。

「そしてだ!突然だが...今日はみんなに転校生を紹介する!」

「!?」

教室がざわめき始めた。どうでもいい話を2年半聞いてきたこの学校の生徒達がようやく聞けたどうでもよくない話!さっきまで斜め後ろを見ていた坂ノ上も一瞬にして前を向いた。

「おーい入っていいぞ!」

教室の扉からゆっくりと転校生が入ってきた。

ここで入ってきたのが男なら小さなため息が聞こえてくるんだろう、だけど違った。

入ってきたのは身長は至って平均的だがスラリとした体型、綺麗にまとめられた長い黒髪、そして目、鼻、口、全てのパーツに無駄がない整った顔。入ってきたのは超絶美人だった。

美人すぎたのか教室の男達は無音状態に陥っていた。

ギャルっぽい女は既にガンを飛ばしている。

そして坂ノ上は気絶している。

「ねぇすごくかわいいね」

理科が話しかけてきた。

「うん、めちゃくちゃ美人」

転校生が黒板の前に立ち名前を書いていく。


重盛ちゆう


変わった名前なのかよくある名前なのかわからない。


「じゃあみんな仲良くするように!じゃあ重盛はあそこに座ってくれ。」

重盛は少し頷き教室の一番後ろ端の席に座った。


朝の集会が終わり、クラスメイト達がみんな重盛に話をしにいった。

座ってるのは俺とガンを飛ばしてたギャルだけだ。

「重盛さんってどこから来たの!?」

「重盛さんの好きな食べ物は!?」

「後で重盛さんに学校を案内するよ!!」

様々な内容でみんな重盛に質問する。みんな必死だ。


「おい!小阪は来ないのかよ!」

「いや、俺はいいよ。お前も頑張らねーと先取られるぞ」

「あ!ほんとだ!重盛さんは俺が絶対手に入れる!」

と興奮した様子でまた重盛の方へ帰っていった。

重盛みたいなタイプはどこでも人気者だ。美人とゆうだけでクラスの中心になる事ができる、でも美人がクラスの中心になる考えには1つ落とし穴がある。

「授業始めるぞー!早く席に着けー!」

一時間目の授業を始める為数学の教師がパソコンと教科書を持って教室に入ってきた。

落とし穴にはまるかどうかはすぐにわかる。


キーンコーンカーンコーン


一時間目が終わり無駄に意識の高い眼鏡教師は教室を出ていった。

「よし!」

隣の理科は何か目的を持っているようだ、そういえばさっき学校案内を提案していたのは理科だった。

よし!とだけ言い残して理科は重盛の方へトコトコ歩いていった。

理科が重盛の机に到着する前から大量の男子達が重盛の周りに群がっていた、男子達を潜り抜け理科が重盛に話し掛ける。

「学校一緒に回ろ!私が案内するから!」

と言い理科の手は重盛の方へすーっと伸びる、その後の光景は正直予想してなかった。

笑顔の理科に対し鋭い眼光で理科を睨み付け素早い動きで机から立ち少し後ろに下がる、そして少し下を向いて

「私に触らないで...」

「えっ」

教室の空気はさっきまでの明るい雰囲気から一気に吐きそうになる位の緊張感に包まれてしまった。

落とし穴とはこれのこと簡単に言えば「性格」いくら美人でも性格がやばい奴は絶対にクラスの中心になどなれない、重盛はこんな早い段階でクラスでの充実な生活を捨てた。

理科が泣きそうな顔で机に戻ってきた。

俺は敢えて何も言わなかった。


-次の日-


「あーー!誰だよ受験とか開発したやつ!!」

ばん!っと机を叩く音と坂ノ上の少し特殊な怒号で少しだけ目が覚めた。

今日も朝早くから登校し坂ノ上と二人で勉強会をしている...いや今日はもう一人、理科もいる。

昨日の事がまだ尾を引いてるのか常に斜め下を向き表情は暗い。

「ほら!理科元気出せよ!あいつはああゆう奴何だよ!私に触るなってこっちこそごめんだぜ!」

昨日はあんなに重盛を自分の彼女にするのに必死だった坂ノ上もあれを見せられるとさすがに嫌悪感を抱いてるらしい、性格って大事だ。

「まぁ重盛にも触れられたくない理由があるんだろうし、無理に関わらなくたっていいだろ。」 

俺もそれっぽい事を言って話を終わらせた、これで俺達と重盛の縁は完全に切れた、、と思いたいが終わるわけがない。

「ううん、駄目だよ。」

「ふぅ...」

やっぱり来た。

そう、理科だ。

「人と触れないってそんなの...これからどうするつもりなの!」

理科が少し大きな声で言った、一体誰に向かって言ってるんだ。

「理科、これは俺達の問題じゃなくて重盛の問題なんだよ、これから重盛自身が...」

「駄目!!駄目駄目!!!」

下を向いてものすごく大きな声で理科が言った、おそらくこの声は3階のこの教室から1階の職員室まで間違いなく聞こえてる。

話をしていた俺も話を聞いてただけの坂ノ上もあまりの圧力に椅子ごと倒れそうになる。

「これはみんなの問題だよ!坂ノ上くんと小阪くんの問題でもあるし、勿論私の問題でもある!」

どうゆうことだよ。

理科は人が良すぎるせいか困った人がいるとその人自身で解決できたとしても必ず手を差し伸べようとする、見守るだけでいいのに突っ走る、それに助けられ感謝する人もいれば理科の行動によって失敗しうざがる人もいるがここまで来ると理科を止めれる奴はいない。

「重盛さんが今こうゆう状況だからこそ誰かが助けてあげないと駄目だと思う!高校生活もあと少ししかないんだよ!?」

確かにそれは一理ある、重盛がこの性格を持ったままこれからの人生をどう歩むつもりなのかはわからないが、間違いなくいい人生は送れないだろう、そうゆう未来が少しでも見えてるのなら今の内に手を差し伸べる判断は何もおかしくはない。

「私決めた!今日もう1回重盛さんを学校案内に誘ってみる!」

「おお!理科がそこまで言うなら俺も手伝うぜ!!」

「ほんとに!?ありがとう!坂ノ上くん!」

そんな話をしてる間に時間は経っていき現在8時25分昨日と同じように焦った様子で生徒達が教室に入ってきた、その中には重盛ちゆうの姿もあった。

読んで頂きありがとうございます。

第二話は現在作成中です。ぜひ次回もご覧ください。

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