神隠し97
荒野…サバンナも、荒野になるんだったけか?
岩山や剥き出しの地面も見えるが、背の低い木々が疎らかに、草も生えてんぞ。
なによりも、生き物が棲息してるんですが?
ここで、魔術再現実験をしろと?
いやね、男ならば、解るだろ?
魔法、魔術はロマンなんだよっ!
亀さん派とか…えっ?あれは魔法じゃない?
そ、そだたけか?………
さて、鳥車を降りて実験を開始するとしますかね。
けど、実験での殺生はダメだから、生き物へ影響しないように行わないと。
そんなことを思いながら、鳥車を降りたんだがな。
なんだかさぁ…
「なぁ、あっちの方だけさ、なんか…雨が降ってないか?」
雨っか、ボトッ、ボトッっとな。
なんだぁ~、ありゃ?
「葵天…あの位置は、レクイア鳥の頭がある位置では?」
そんなことを、アリンさんが言うんでな、ちょっと結界から出て、鳥車らか少し離れてみる。
少し離れると、レクイア鳥の腹しか見えなかった位置から離れることがな。
何とかレクイア鳥の頭部っうか、嘴の下側が伺える位置へと。
いや、あれって…よだれ、かよっ!
鳥って、よだれを垂らすもんなのか?
「ふむ、ラルブムでも居るのですかな?
ここタラーザ荒野には、レクイア鳥の好物であるラルブムが棲息しておりましてな、野生のレクイア鳥がラルブムを求めて、現れることもあるそうですな。
飼育されたレクイア鳥は、勝手に狩りは行わないものでございますが、流石に、目の前へ好物が居れば…ですな」
つまり、お預け状態と?
そのラルブムって、ここから見えるのかな?
そのことをエドワード執事長へと訊いてみるとだな。
「あれに見えるのが、ラルブムですな」
執事長が示す方を見ると…
え~っとぉ…真っ赤な、水牛?
血のような、ではなく、夕日に染まったような赤だな。
角から蹄まで赤なんだけど、目の色まで赤でな、なんだか恐いんですが…
「あれが、レクイア鳥の好物なんですか?」
思わずな。
「ラルブムは高級な食材としても知られておりましてな。
レクイア鳥の好物と知られておりますが、好事家の間では高値で取引されてもおりますぞ。
まぁ、気性が激しく狩り難いことでも、知られておりますが…」
なるほどな。
レクイア鳥の好物なら確保してみても良いかもな。
「ここでの狩猟は、禁止されていますか?」
念のためにな。
「禁止はされておりませぬが…もしかして、狩られるおつもりで?」
いや、まさかな。
「狩るとではなく、真素操作の的として狙ってみようかと。
もし仕止めることが出来たら、レクイア鳥へ与えても良いかなとね。
これから世話になる鳥車のレクイア鳥だからさ」
そう告げたら、執事長に呆れられたよ。
「そう易々と狩ることが出来るとは、思えませぬが…
狩ることが出来たらよろしいですな」
いや、そんなに優しい瞳で、見んといてくれる?
心が折れそうなんっすが…くすん。




