神隠し95
昼餉処にて拉麺と炒飯に水餃子を頂き、過ごし食い過ぎ気味になってしまったよ。
美味かったが、俺はフードファイターじゃねぇっ!
しかし、保護されてから俺、まともに運動らしいことしてなくね?
その割には食ってるよな。
メタボまっしぐら、っう感じで恐いんですが…
食事を終え、ジャスミン茶のような飲み物を頂きつつ寛ぐ。
この後は、俺用の鳥車へと向かう予定なんだが…
「マジで言ってる?」
思わず聞き返してしまう。
したらな。
「マジ?ですか?
マジとは?」
いや、そこぉっ‼
「あ~っ、なんだぁ、マジってぇのはだな、本気かどうかを尋ねたり、告げる時に使う言葉だな」だったよな?
「さようでございましたか。
では、そのマジでございますな?
マジにて存じます」ってな。
いや、そのマジの使い方…何も言うまい…
「ここは確かに広いけどさぁ、本当に屋上へ?」
「さようでございます。
葵天専用鳥車は、屋上の駐車場にて待機しておりまする」
おりまする、っーて、アータさぁ…
鳥車を運ぶレクイア鳥は、小山ほどのデカさと言っても過言ではない。
そのレクイア鳥へ吊るして運ぶ鳥車は、屋上付きの2階建て館と言えるだろう。
そんな巨大な代物が停まれる場所が、ここの屋上に?
いやっ、ここヴァルハラ館第1宮は、デカイとは思ってたよ、思ってたが…改めて規模の認識を変えないとな。
「その、あれだ」
首を傾げられた。
そら、そうだ。
「俺用に用意された鳥車は、常に、そこへ待機してるの?」
そう尋ねると、頭を横に振られた。
「何時もはヴァルハラ館用の車両区へ鳥車は格納され、そこにて整備点検保持されておりますな。
レクイア鳥は、専用厩舎にて世話をなされておるのです。
第1宮へは、鳥車を使用する際にのみ呼びましてな、ここから乗り込んで出掛ける訳なのです。
流石にここへは、長時間駐車は厳しいですので」
なるほどなぁ~
乗る時だけに呼んで、乗り込むまで待機する場所なのね?
タクシー乗り場みたいなものかね?
なんか違う?
って、ことで、ユラちゃんの長椅子型鞍へと座り、ゆらゆらと揺られつつ、鳥車の駐車場へとね。
でもね、ユラちゃん。
会う度に頭を擦り寄せてるのは良いんだけどさ、座った後に振り向いて、俺の顔を舐め回すのはさぁ、どうにかなんない?
っか、首の稼働域が広過ぎね?
顔を舐め回されると言うご挨拶を受けた俺へ、メイドさんが顔を拭く塗れタオルを渡す迄がセットだね。
それが終わると、ご機嫌に歩み始めるユラちゃん。
そんな背に揺られながら駐車場へと辿り着けば…ヤッパリ、デカイな、をいっ!
レクイア鳥と鳥車の組合せがデカイとは思ってはいた。
だが広々とした場所で見るのと、狭い場所で見るのでは、全く違って感じてしまうものなんだな。
ここで見る鳥車は、圧迫されるほどの迫力を感じてしまうぞ。
見上げる感じで近付いた俺は、ユラちゃんから降りて鳥車へ…って、んっ?
ユラちゃん?
トコトコって、俺に付いてきますが?
いや、ユラちゃんもが入れる広さは充分あるけど、あっ、いや、連れてくのね?
嬉しそうだね、うん。
分かったから、そんなにスリスリしなくて良いよ。
っか、倒れちゃうからさ。
飼い馬かっ!




