表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/151

神隠し93

皇家との会談は、ビックリするほど、朗らかな和気藹々とした会談と言うか、雑談だったな。

なんかさ、皇女様に、何故か懐かれたんですが…俺の何が良かったんだろね?


別れる時には、皇太子からは「もっと、お話を聞きたかったのですけれど…」っと、非常に残念がられ、皇女様からは「もう少し、よろしいのでは?」って、愚図(ぐず)るようにね。


したらさ。

「また、お会いして頂ければ良いですわ。


 今日はパパへ自慢してあげましょうね。


 昨日は、凄く自慢してましたもの、今日は昨日の私達とは逆に、パパが悔しがりますわよ」


皇妃様が楽しそうに笑うんですが…皇王様?なんで、家族へ俺と会ったことを自慢してんです?

っかさぁ、俺と会ったことって、自慢できること?


皇妃様と皇太子、皇女様が、楽しそうにな。

楽しそうなのは良いんだが、皇王様を悔しがらせることを前提としてるのは、如何なものかと。


上皇様ご夫婦もさ、微笑ましく見てないでさ、止めたげて。

いや、話の輪に加わって煽るのは止めてんか?

うん、皇王様…ご愁傷様です(笑)


そんな楽し気な皇家の皆様と別れ、王城最上階の皇家居住区にある寛ぎ処からお暇を。

皇家の方々と別れの挨拶をした後で、部屋から出る際にもな、皇家の方々は楽し気に…

うんね、皇王様、ガンバっ!


そそくさと部屋を退去した俺達はエドワード執事長のエスコートにて馬車までとね。


「良く平然と皇家の方々と語ることが、できますわねぇ」っと、ヒューデリア嬢が苦笑いしつつね。


したらアリンさんもな。

「葵様…何時もご自分は一般庶民と仰っておられますが、その割には皇家の方々と、緊張されるでもなく語られておられましたね。

 私など聞いていただけであるのに、緊張で震え、冷や汗ダクダクでしたのに…」


アリンさんが蒼い顔でな。

いや…そう言われれば、そうなんだけどさ。


「いや、あれは、明らかに上皇様の話術マジックだよな?

 上皇様が場を緩やかに解して、穏やかに語れる雰囲気を作り出したからだろ。

 そうじゃなけりゃあ、俺が落ち着いて話せる訳ないだろ」


っかさ、逆に場にのまれたとも言えるがな。

あの雰囲気だから、自然体で話せたとも言えるな。

まぁ、明らかに俺に対してのみされてたから、2人には恩恵はなかったみたいだな。


そんな話をしている俺達を乗せた馬車は進む。

王城の屋上へ戻り、ヴァルハラ館の城下街へと到った頃には昼時にな。


街の食事処からは良い香りがな。

飯時だから店へと向かっている者達や、並んで入店待ちしている者達の姿もな。


っかさぁ、点心らしき店の店先へテーブルを並べ食べてるのは、ラーメンじゃね?

明らかに並んでるよな。

行列ができるラーメン屋…行かなきゃでしょっ!


「あそこっ!

 あそこの店で食べたい!

 今、行き過ぎたとこっ!」

思わずな。


「葵天、ご容赦いただきたく存じます。

 下々が食す場であり、葵天が食す場ではござりませぬ。

 どうか、ヴァルハラ館にて、(おん)願い申し上げまする」


エドワード執事長が困ったようにな。

ダメかぁ~

天位貴族が、いきなり現れたらパニックになるってさ。

行きたかったなぁ~行列ができるラーメン屋…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ