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神隠し9

一夜明けやした。

晩餐後に色々と尋ねそうにしていた里長だけどさ、言葉通じんもん、しゃぁーあんめぇよぅ。


風呂入りぃの、歯ぁ磨きぃの、トイレ行きぃのっうくらいに平凡な夜を経て就寝ってね。


何せ光源確保が厳しいかんよぉ。

ランプの宿じゃねぇが、獣脂(じゅうし)を精製した油を使ったランプが明かりでな、油を造るのも大変だし、何よりも煤がヒデェ。

ランプの手入れも大変らしいわ。


そんな縛りがあるかんよ、夜は早めに休むのが常らしいぞ。

つか、里長の屋敷だから、これでも凄く優遇されてんだってさ。

里の民が知れば垂涎なのだろうか?


ここら辺の説明はテンプレート的文を渡されて読んだから知れた話だ。

各地の領主宛に文が数年ごとに送られ、領主側で写筆した文を郷主へ送っているらしい。

俺が受け取ったのが、それだな。


紙は結構な値がするため一般には普及していない。

木簡、竹簡、羊皮紙なんぞが書き物に使用されてるそうな。


トイレに紙があったが、あれは藁などから作った簡易的な代物らしく、破れ易いので書き物には向かないらしい。

まぁ、便所紙や鼻紙には良いと言うことで、富裕層クラスには普及しているらしいな。

一般的なことは書かれてないが…どがぁしちょんじゃろーねぇ?


基本的なことは、受け取った文に書かれていたんだけど…なんで晩餐後、しかも風呂上がりで部屋へ帰った後に女中さんが渡すのかや?

まぁ今朝、文を広げて分かったが、貴重な物ゆえ成りすまし防止として面談を経て渡すらしい。


実は女中さん指導の音読は、成りすまし者を判断する一貫でもあったそうな。

喋れる輩なら喋れない振りには違和感がでるそうな。


途中まで読んだところで朝食に呼ばれたよ。

食べたら郷主館へ移動とのこと。

いや、慌ただし過ぎね?


今朝は自然薯のトロロ汁を飯に掛け回した物と味噌汁に漬物、だし巻き玉子と魚の塩焼きだな。

朝から豪勢だな、をい。


食べ終えて茶で一服した後、早々に屋敷から連れ出される。

屋敷外には馬車が用意されており、これで移動するようだな。

俺の荷は既に載せられているようで、俺とガウェンさんが乗り込めば出発と…


いやな、それは良い、それは良いんだよ、うん。

だがな、馬車馬…おかしくね?

前足が俺の伸長を越える…象さん、キリンさんレベルのデカさ…ハッ!これが『松○』や『国○号』クラスと言うヤツか…

まさか実在しているとは、異世界、恐るべし!


ただ、黒馬でなく茶馬でしたけどね、しかも2頭。

そんな巨馬が牽く馬車も当然デカイ訳で…いやね、既に馬車でなく小屋と呼んで良いと思われます、はい。

車輪の半径が俺の伸長ほどあるんですがね。

馬車へ乗り込むのに階段が誂えてあるって…どんだけぇ。


でもね、護衛と思われる兵隊さん達が乗る馬は、俺が知るクラスの馬だったよ。

うん、この馬車が特別なんだね、分かります。


ってことで乗り込みましたよ、いざ出発れす、はい。

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