神隠し85
俺は、庭の明かりについて納得したんだがな.ルマド爺様の説明は続いている訳で…
当然、もう分かったなんて、俺ごときがさ。
でぇ、大人しく拝聴してますです、はい。
「…で…あり…でして………
この真操具の効力ではないかと」
って、えっ?
なにか、聞き逃せないようなこてを、言わんかったか?
たしか…
「草木の成長が促されている形跡が認められて」とかなんとか。
それってさ、農作業なんかに使用すれば、目茶苦茶有効なのでは?
なんで、こんなところへ設置してんのさ?
余りのことに尋ねたらさ。
「非常に希少な代物でございますゆえ、下々へ貸し出す訳にも参りませぬ。
それもあり、ヴァルハラ館預かりとなっております」
なるほどな、なら気が向いたら家庭菜園でもしてみるかね。
育てた野菜で作った料理を頂くてぇのも、乙なもんだろうしさ。
庭へ設けられた池には魚が放たれており、沢エビや沢蟹の姿も見受けられるし、川藻などの水草の影にはタニシなどの貝や、亀などもな。
っか、凄げぇ水が澄んでるぞ、この池。
明度が高過ぎる湖には生き物は棲めないと聞いたことがある。
まぁ、あれは深い湖の話だから、この規模の池には当て嵌まらないのだろう。
庭木も池を映わすように手入れされており、非常に美しい景観となっている。
ここに家庭菜園?
いや、無謀過ぎるだろ、俺。
うん、大人しくしておこう、そうしよう。
庭を堪能した俺達は玄関へ回り第7寝室へと。
やっぱり、なんか違和感が…
って、メイドさんとユルちゃん…まだ、やってたのね。
実は楽しんでない、君達?
そんな1人と1匹を放置しつつ俺達は玄関から中へと。
んっ、他のメイドさんが助っ人に。
頑張ってね。
玄関では靴を脱ぐようだ。
靴箱も設置されているな。
寝室だから、土足厳禁ってことらしい。
いや、益々日本の一般家屋じみてきたぞ、これ。
靴を脱いでから玄関を上がると、付いて来ているメイドさんの1人が靴を靴箱へと。
俺は玄関から続く廊下へ面する部屋を確認しつつ奥へと。
っか、付いて来たメイドさん…多っ!
入り切らずに、外に何人もな。
溢れたからか、ユルちゃん対抗へ参加している者も。
実はチミ達…暇だろ?
そんなん思いながら第7寝室を確認。
うん、各部屋が広過ぎ!
それぞれが20畳前後の広さを誇り、ベットルームは30畳を越えていそうだ。
中央に、天蓋付きベッドがな、デェ~ンっと陣取っている。
そのベッドの大きさが、ヤバイ。
キングサイズと言うのを鼻で笑えるレベル。
つか、部屋床と言っても通じるレベルなんだがな。
風呂も数人で入れる湯船に洗い場がな。
トイレも複数存在し、洗面所もだな。
リビング、ダイニング、キッチンなどなど。
様々な施設が、存在するんだが、引っ括めて第7寝室と…
実家の親爺へ言ったら「ふざけんな!」って、殴られそうだな…
20代未婚の俺が、これだけの物件に対する主へと。
違う、ここは1部だったけか?
改めて認識すると、恐ろしいな、をいっ!
もし馴れてから日本へ戻れたら…考えるだけで、恐ろしい…




