表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/151

神隠し84

「ご、ご立派な、寝室ですこと。

 オーッ、ホッホホホォフォホォーッ」


ヒューデリア嬢が、思わず高笑い。

壊れた?


「い、いやさぁ~

 ここって、既に家屋だよね?

 あくまでも、寝室って言い張るの?」


俺が告げるとな。


「はて?

 寝る目的の部屋を寝室と申しますゆえ、寝室でよろしいかと」

そう、ルマド(じっ)様が、のたまう。


だがね、それが(まか)り通るならさ、世の中は寝室だらけだぞ。

どんな家屋へもさ、皆は寝に帰る訳なんだから…


そのように言ったらさ。


「それは下々での話でございまするな。

 ヴァルハラ館では、意味をなさぬでしょうぞ。


 何故なら、(くつろ)ぎ処を始めとした専用部屋が各種存在いたしますれば、それらとの対比として呼ばれることになりまする。

 他の部屋の目的と活用を鑑みまするに、やはり、ここは寝室でございましょうな」っと。


いや…ね、確かにさぁ、そう言う意味では、寝室になるってか?

でも、規模から考えると、う~ん…


考え込んでいても仕方ないので、第7寝室の確認を。


玄関前の庭は手入れされ、芝生の上に置き石が戸口まで足場としてな。

花壇には季節の花が咲いている。

っても、花が咲く季節なんざぁ、知らんがな。


俺は玄関を避けて庭の方へと。

踏んでも大丈夫なタイプの芝生のようで、直接芝生の上を歩いて進む。


うや、後ろでな、コニーのユルちゃんが芝生を()むのを拒むメイドさんと、ユルちゃんとの、壮絶な攻防が繰り広げられているようだぞ。


ファイッ!


そんな賑やかな後方を置き去りにしつつ庭へな。


「太陽の光では、ない?

 でも自然な感じの光だよね?


 初夏近いのに、照り付ける感じではなく、(うら)らかな陽射しとでも?」


「さようですな。

 ここは宮殿内でも(ふこ)うございましてな、外からの陽は入って参りませぬ。

 それは、今迄に通って来た廊下も同様でございます」


「ああ、廊下の明かりは人工的な明かりだったから、真操具が作り出す明かりだと分かったよ。

 余所の洞内通路を照らす明かりが、真操具の明かりだと聞いてたんでね。


 でも、庭の明かりは違うよね。

 真操具の明かりとは違い自然な感じだ」


疑問を告げるとな。


「いえ、真操具の明かりにございます。


 ただし、聖女様の巨大木壁による効果で現れた、かつての深森へ埋もれておりました遺跡より、出土したアーティファクトから発っせられておる、光なのでございます。


 他の真操具は、真素使いが真素を、供給用の真操具へと注ぎ、その真素にて稼働しておるのです。


 ですが、ここのアーティファクト真操具は、独自にて辺りの真素を取り込み、稼働いたします。

 それが、どのようになされ、どういった絡繰りにて光のか…全く不明でして。


 ただ、常に光っておるなれば、仕舞い込んでおるよりは、屋内庭へ活用した方が良いとなりましてな、ここのように使用されておりまする」


いや、それって…

発掘された訳分からん発光物質を、発光する理由が解らない侭で使ってるってことだろ?

大丈夫なのか、それ…


ま、庭を見る限りは害は無さそうだし、()っか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ