神隠し66
玉座へ座る皇王様は壮年…いや、中年といった年頃か?
壮年を働き盛りとするなら、中年はその後の年代?
ここら辺の定義が曖昧過ぎるのが難点ではあるが、少なくも青年でも初老でもないな、うん。
精悍な顔付きで筋骨逞しい細マッチョさん。
頭へ略冠を着けてるが、輪っかのような形状をしており、額より上を覆う飾りが特徴的と言えるな。
漫画やアニメで見る金色のヤツとは似ても似つかんね。
体には革の軽鎧を纏っており、皇王と言うよりは武人といった出で立ちだった。
っか、俺も、そっちの鎧の方が良いんですが…
皇王様を挟んだ宰相の反対側へ立つのは、熊が可愛く見える大男。
金属の部分鎧を各所へと身に付けてるが、鎧の厚さが分厚く見える。
以前にフルプレートの鎧を見る機会があったが、見た目はペラい鉄板。
これ、意味あんの?って思った記憶がな。
だが、そんなフルプレートでも総重量は凄いだろうから、厚くすれば動けないと…
いや、目の前の巨大男が纏う鎧の方が、絶対に重いよね、これ…
上半身と肩、籠手と具足、腰回りに分けてるが、見た感じ鉄塊を身に付けてるように…
ハッ!いざとなったら鎧を脱ぎパワーアップを図ると?
何処ぞの竜玉かぁ!
いやいや、重り系なら鈴賭のパワーリスト、パワーアンクルの方が先やな。
どちらも人外やけど…
っか、目の前の巨大男も人間辞めてね?
軽く頭を叩かれただけで死ねる自信があるんですけど…
しかし…左側は5段腹タイツ男の宰相様、顔は垂れ肉に埋もれてます。
右側はグリズリーが子犬に思える巨人さん。
鉄塊と見紛うばかりの厚さを誇る金属部分鎧を纏っておられる。
そんな彼らに挟まれる皇王様は普通の人間にしか見えないな。
っても、皇王っうか傭兵かなにかにしか…
街で擦れ違っても皇王様だとは気付かんだろう。
こんな濃過ぎるトリオが、顔を上げた途端に、目へ飛び込んで来た訳で…
思わず固まりましたが、なにか?
宰相様だけでもインパクトあったけど、3人揃えば、その比ではない。
いや、皇王様は普通なんだが、逆に普通だからこそ、左右に挟まれ目立つことにな。
アッ!その効果をねらって…ないな、うん。
自分が皇王様の立ち位置だったらっ考えたら、怖気がな。
俺と同じく、2人も固まってる。
そんな俺達が、謁見の緊張で固まってると、皇王様は勘違いしてくれたみたいでな。
「このような場へ出るのは初めてであろう。
緊張するな、と、言うのも無理か。
さて、ハウマン領のヒューデリア。
ザウント郷のアリン。
両名とも、招かれ人たる葵様の案内ごくろう。
話によると両名とめ葵様と親しくなり、葵様を支えておるのだとか?
実に天晴れな所業である。
故に葵様の側仕えを命じることとする。
官位は曹位7家が1つ、ロルフ家付きとし、曹下縁5段の官位を授けるものとする。
励めよ」
そんなことをな。
いきなりのことに、一瞬戸惑った2人だが…
「ははぁっ!
謹んでお受けいたしまする」って、アリンさんが。
「光栄の至りに存じます。
身を粉にするつもりにて、勤めさせていただきまする」
ヒューデリア嬢も畏まってな。
曹位は覧位の上であり、覧位は藤位の上だ。
藤位は領主が賜る官位だからな。
つまり、領主や郷主よりも貴族位が上がってしまったって訳だな。
大丈夫なのかよ、それ。




