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神隠し61

さて、一夜明けましたっと。

昨晩は執事さんによる事情聴取が始まるかと、戦々恐々したが…あっさりと引き下がり退出してったよ。


その後は色々と疲れたのでベッドへとダイブってね。

貴賓室のベッドだから寝心地は最高でしてね、知らぬ間に寝入っていたようだよ。

だって、記憶ねーもんよ!


起きるとな、当然、室内は俺1人だったんだが…

コンコンコンコン

ドアがノックされる。


この国ではノックの風習などないのだが、他国の方を迎えることのある迎賓の間は(ちゃ)うようだ。


あ、ノックったらトイレドア2回らしいが、フランスでは「早く出ろ」っう威圧に近いマナー違反。

場所でマナーは変わります、特に日本は改変好きだから要注意だ。

海外で通用すると思い相手を激怒させ撃ち殺されないよう気を付けよう。


さて、そんなことよりだ、2回目がされたしな。

「はい、起きてます、どうぞ」ったらドアが開く。


「おはようございます、葵様」

「はい、おはようございます。

 どうかなさいましたか?」

なんだろね?


「朝の身支度を整えさせていただきに参りました」ってね。


って、えっ!?

「それって…俺が起きたって分かったてこと?」

監視カメラか何かかっ!?


「はい、お目覚めになられた気配がいたしましたもので」

忍者か何かかぁっ!


「そんなこと出来るのか?」

無茶やろっ!?


「メイドの嗜みですわ」

メイドさん、(すげ)ぇぇっ!

って、無茶苦茶やろ!

普通は無理だってばよぉ~


「女には色々と秘密がございますので、探らぬのも殿方のご甲斐性かと」

そんなん言われたら訊けへんわっ!


「では、身支度のお支度を」って近寄ってくるんですが…

「いや、1人で出来ますから」ったんだがな。


「葵様は貴人にございます。

 下々の世話には、慣れて頂かなければなりませぬ。

 当面は、私が専属でお世話いましますので。


 昨夜の風呂番のようには参りませぬゆえ」っとニッコリ。



って、えっ?ぇぇっ!ァア"っ!

汚されちった、もぅ、お婿に行けない、ボキ…


「何を大袈裟なことを申されておられるのです?

 お洗顔を手伝い、お着替えを手伝い、厠を手伝っただけではございませんか」


いや、最後、特に最後ぉぉっ!

絶対に最後は(ちげ)ぇよなっ!

トイレは個室で自由になれる最後の砦に違いない。

なのに、あっさりと陥落って何?


「大変ご立派でしたわ」って、何がナニのなにですね、はい。

いやさぁ、ご立派って誉められてもなぁ~

っか、以前より長く太くなってね?

気付かなかったことにしよう、そうしよう。


「ですが、普通は逆ですのに不思議ですわ」ってメイドさんがね。

って、何が?いや、もうナニは良いからねっ!


「高貴な方は、お生まれになられ、育たれる間は下々に(かしず)かれて過ごされます。

 なれど、城外へ出て過ごされるためには、ご自分でなさる必要が出て参ります。

 そうなりますと、ご自分で身の回りのことを行えるように教育いたすこととなる訳です。


 逆に、ご自分のことを1人で行えない内は半人前として城の外へは出られませんわ。

 葵様の場合、独り立ち可能な貴人ですのに、下々に傅かれるという基礎がなされておりませんわ。

 ほんに、不思議な方ですこと」って、コロコロと笑うんやがねぇ…


「いや、だからさぁ…

 俺は、元の世界では一般庶民で…」

「ここでは貴人でございます」

聞いてくれませんでした…orz

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