神隠し53
食後の話し合いを行っている間に王都へ到着していたようだ。
話の区切りがついたと察した執事が下車を促してきたよ。
相変わらず俺の荷物は主人を待たずに下車して馬車へと。
ご主人様を少しは敬いたまえ、ってね。
荷物に対して、なに言ってんだろ、俺?
荷物を追い掛ける訳ではないが、俺達も馬車へとな。
ふぅ~むぅ、巨馬、巨大馬車ではなく、6頭立ての雅な装飾がなされた白色馬車だな。
いやさぁ、金銀で装飾された馬車は高貴な方々が乗られるには相応しいと言えるだろう。
だが、乗るのは俺だぜ?
まぁ、アリンさんとヒューデリア嬢は良いだろうさ。
まさに、お似合いって感じだしさ。
けどな、俺の場合は、ザッ場違いっう感じでさ…
なんだか肩身が狭いてぇか、なんてぇか…
うん、松○と国○号が牽く巨大馬車を所望する!
是非、チェンジでっ!
言えたら、良いんやけどねぇ~
そんな崇高たる俺の葛藤を知らぬが如く、馬車は進んで行く。
王都って呼ばれるだけあり、石造りの建物が大半を占めているな。
階数の高い建物も多いとみえる。
壁がガラスブロックで造られている建物も見受けられるぞ。
流石に板ガラスの窓を持つ建物は見受けられんな。
板ガラスてぇのはさ、工業力が高くないと造れない代物なんだよ。
だから日本でも昔はブロックガラスで採光としていた時代もな。
古い建物が残っている場所ならば、見ることもできるやもしれんが、まぁ、ほぼ見ることなどないだろうな。
流石にドアと窓は木材で造られているが、彫刻がなされており、なかなかに、お洒落さんである。
文化レベルは高そうだ。
郷都や領都でもそうだったが、道へ糞尿がバラ撒かれてはいない。
地球の中世ヨーロッパのトイレ事情は最悪で、部屋の窓から糞尿を道へ投げ捨てていたらしいからな。
歩いてたら上から捨てられた糞尿を掛けられたりしたそうな…絶対、ヤダっ!
知ってっか?ハイヒールは、そんな糞尿まみれの道を歩くために生まれた履き物なんだぞ。
そんだけ汚いってことだな、うん。
良く小説でさ、中世ヨーロッパと同じ文化レベルって書かれているが、この世界は違うようで良かったよ。
良かったてぇか、助かったってね。
トイレは汲み取り式とは言え、道への破棄でないだけ文明的だわさ。
日本でも、場所によったらさ、未だにバキューム・カーが走ってっし。
えっ、バキューム・カーを知らない?
ボットン・トイレに貯まる汚物を吸い上げて車のタンクへとな、それを破棄する場所まで運ぶ車さ。
水洗トイレと下水道が完備された場所には走ってないが、場所によっては走ってんぞ。
しかし、出来たら下水道を完備して、是非とも水洗トイレを普及していただきたいものだ。
切実…
汲み取り式トイレは別として、上水道は完備されているのだとか。
石造りの水の道が建物上層を繋ぐが如く誂えてあるそうな。
馬車からは見えんな、うん。
まっ、そうなんだろうさ。
王都の場合、近くの滝上にある川から水を引き込んでんだとさ。
途中で浄水する場所を何ヵ所か経てから王都へな。
メンテナンスは結構大変だってことだぞ。
そんな話しをしている間に王城へと。
って、デカイなっ、をいっ!




