神隠し51
ヒューデリア嬢が、なにやら疲れてしまっているため、休憩を兼ねての昼食となった。
今迄リビングで真素操作の議論していただけだから、休憩みたいなものだったのに、ハテ?
3人で連れ立ってと言いたい所だが、ちと花摘などへもな。
空を飛行中の鳥車にて花摘とは、これ如何に?などと言ってはならねぇぞっ!
ヒューデリア嬢に睨まれてしまうかんな。
それが趣味である方は、どうぞ。
俺は御免だがなっ‼
いやなぁっ、さっきからヒューデリア嬢が冷たいんだわ。
俺、なんかしたっけか?
「アリンさん、アリンさん」
小声で呼び掛けると、アリンさんが前を向いたままで、然り気なく「どうかなさいました?」ってね。
「俺、ヒューデリア嬢に、なにかしたっけか?」
そうナチュラルに訊くと、ビタリとアリンさんの歩みが止まり、アリンさんの顔がこちらへと。
マジマジと見詰めんでつかぁさい、照れますがなぁ。
ヒューデリア嬢は花摘個室へ消えた後だから居ないぞ。
紳士用は、この先だな。
「本気で仰ってます?」っうからさ、頷いておいたよ。
「ふぅ、悪気はないとは感じてましたが、自覚も持っておられないとは…」
そう言ってから溜め息を。
って、アレぇ?
「俺って、ヒューデリア嬢に対して、そんなに失礼なことしたっけか?」
確かに、ちょっとイラッとして、からかったりはしたが…うん、十分に無礼か…
そのことか?って思っている俺へアリンさんがね。
「アレだけ真素操作の常識を覆すことを連発されたのです。
彼女の真素使いとして持っていたプライドさズタズタでしょうな。
しかも真素を扱うアドバイザーとしても同行されておられる身なれば、立場もないようなものです。
自然と不機嫌にもなられるのでは」
語外に非常識と言われたような気が…
気の所為だな、うん。
「そうは言われましてもねぇ…
俺も態としてる訳でもありませんから。
なにせ、こちらに来て数日だし、真素操作の常識も、何もかもがサッパリです。
鳥車内では真素操作の真似事ができると、調子に乗ったことは認めますけど…そこまで常識外れなことでしたか?」
思わず問うてしまったよ。
だってよぉ~俺だって一応はさ、安全には配慮してんだぜっ。
謎結界が成功するまでは危険な実験はしてねぇし、危ない実験と思われたら確認してから行ってもいる。
そらさ、想定外のことが多々発生したことは認めるよ。
けどな、それは俺も想定外だった訳で、当然、悪気などなかったんだがなぁ…
それが気に触ったからって、俺にどないせいと?
そんなことを思った後、アリンさんと交代で花摘、花摘っと。
男は簡単で良いやね、女性は大変ね、って、何が?知らんよ。
ヒューデリア嬢は、まだ時間が掛かるだうから先にダイニングルームへとな。
既に料理は配膳できる状態みたいだな。
シェフが仕上げを待ってる状態ってね。
ヒューデリア嬢が現れ昼食ってね。
主役は遅れて遣って来るってか?
彼女が席へと着くと、即座に料理が配膳される。
まずはスープにサラダ、そしてメインにパスタだな。
いつもの如く美味しく頂く訳なのだが…いつもの食レポごとき感動を2人が示さない。
なんだか疲れて気力がないっうか、純粋に食事に癒されてるつーか…なんだか、済ませんです、はい。




