神隠し50
炭酸飲料をペットボトルごと創り出してしまった訳なのだが…マジで創造でけるとは思わんかったぜっ!
しかし、既に、なんでも有りやなぁ…
「確か…全ての物は、真那から出来ている、だったか?」
真素の説明を最初に知った時のことを思い出す。
確か、里で受け取った文に書かれてたんだよな。
「真素は真那が固まってない状態を示す言葉で、真那が集まって物が形成されているのだとしたならば、真素から物が創造できるのは、道理に合うことになるな」
俺が考えを纏めるため呟いていると…
「確かに、それは道理にかなっておりますな。
それが行えるかは、別としてですが…」っと、アリンさんがね。
そう、そこなんだよなぁ~
なんで今迄、真素使い達は真素操作で物造りしてないだろね?
不思議に思った俺はヒューデリア嬢にな。
「確かヒューデリア様は真素使いでしたよね?」
そう確認を。
「そ、そうですけれど…」
バリバリに警戒しとるな。
なんでやろ?
「だったら、真素操作が出来るんだよな?」
そう重ねて確認を。
「え、ええ…これでも一応、真素使いの端くれではありますので」
そう告げつつ、ジリジリと後退しとるな。
どったの?
まるで警戒しとるネコのようさね。
怖くなぁ~い、恐くない、ってね。
「それなら、真素を操作して物を創り出せんじゃね」ったらさ。
「やっぱりぃぃっ!」って、えっ?
「無理ですわよ、無理ぃっ!
そんな、規格外なこと、出来る訳ないですわっ!」
「いや、試したことあるのかよっ!」
「試さなくとも解りますわっ!
自分が感知可能な真素量を越えて、無理に真素を感知したら…キャパシティオーバーでた倒れてしまいますわよっ!
これだから、真素操作の常識がない方はっ!」
う~ん…そがぁに怒らんでもさ。
しかし、そっかぁ…真素使いは真素を扱える許容量があるんだな。
って、まて。
「真素使いは、真素を感知してから真素操作してるんだよな?」
そう尋ねたらさ、戸惑ったように応えてくれたよ。
「当たり前では、ないですか…
真素を感知しないと、真素を認識できませんわ。
認識してない真素を操作するなど出来ませんもの」ってな。
なるほどなぁ…おそらくだが、扱う真素の許容量ではなく、真素を感知できる許容量なのではないだろうか?
俺は未だに真素を感知できてない。
だからこそ、許容量という制限を受けてないのではなかろうか?
そして濃い真素に満たされた空間だからこそ、真素感知しなくとも真素操作が行えたと。
俺の仮説を告げるとアリンさんが納得顔にな。
「なるほど…なまじ真素操作を行うために真素感知を覚えてしまったため、このような場では真素感知が邪魔をしてしまうと…」
「今迄、鳥車内で真素操作をされてた方がいたのかも疑問ですがね」
俺が告げるとな。
「普通は必要ありませんから、鳥車内で真素操作は行いませんわね」
ヒューデリア嬢が疲れたように…
まだ昼前なのに、そんなに疲れて大丈夫かや?




