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神隠し34

アリンさんの説明が正しいなら、見えず感じられない真素で周りが満たされていると?

確かに元の世界でも大気に空間が満たされ、その中の酸素などを無意識に体内へと取り込んでいた。

だが、大気中の酸素を視認したり認識できただろうか?


それと同等、いや、それ以上の難易度だと思われる。

何故ならば、真素は真那が固化せず漂っている総称に過ぎず、真素を感じると言うことは真那を感じるに等しいからな。


こちらでの説では真那は原子より小さく、原子や霊子などの(みなもと)らしい。

原子が最小単位が常識である俺には、未だに受け入れ難いことではあるが、昔の招かれ人は認めたらしいな。

だとしたら、そんな極小物質集合体である真素を人の身で感じとり操れと…


空気中の酸素を道具なしに人の身で認識し操れと言われているに等しい。

困難極まる‼いや、無理じゃね?


えっ!考えるな、感じろっ!ってか?

できるかぁぁっ!


「アリンさん。

 大気中の真素濃度が高まったことに対して体が過剰反応して飢餓感に襲われるとして、馴れるには徐々に環境へ馴れていくしかないのでは?

 食事に含む真素を体内へ一時的に取り込んでも無意味に感じるんですが?」

とりあえずの疑問点を潰しておくかな。


「それは一時的とは言え体内真素を高めることで体外真素を認識し易くするためですね。

 真素を感じとる感覚が鋭くなるのでしょう」


納得できるような、できないような…


「なら、真素を感知する器官があると言うことでしょうか?」

それが分かれば…いや、分かっても厳しいけどなっ!


「分かりません」

「えっ!?」

「だから真素を感じとる器官が体内に存在するかは解明されていないのです。

 昔の招かれ人様が仰ってられましたが…「なまじ真操具が優れておるから科学が進歩しておらん!」などと嘆いておられたのだとか。

 ある程度は真操具で代用されたのですが、圧倒的に機材が足りなかったそうですね。


 その方が「体内研究も、ろくに進んでおらん!臓器に対する知識が無さ過ぎるだろうかぁっ!」とも。

 まぁ、高位真素使いなら欠損復元を含め可能ですから、研究する者など限られている訳です。

 そう言う意味から、真素を感じとる臓器が存在するかは不明なんですよ」


むぅ、ならば仕方ないか…

だが、真素濃度に体が反応すると言うことは、確実に人体へ、そのような機能が備わっていると言うことだ。

ならば、その機能を鍛えれば、真素操作が可能になるんじゃね?


「尋ねたいことがあるんだが」

「なんでしょ?」

「高濃度真素となった室内だと飢餓感を覚えると言うことはだ、つまり真素を感じていると言うことだよな?」

「そうなりますが?」

ふむ、俺が問いたいことが分からないらしい。


「ならさ、高濃度真素状態にした室内へ滞在したら、自然に真素を感じとれるようにならないか?」

そう告げたらさ、2人が考え込んでしまったよ。

なにか不味かったか?


「たしかに…その方法は有効そうですね。

 環境を用意できれば、ですが…」

「無理ですわね。

 鳥車の場合はレクイア鳥が操る真素を流用して結界を貼っていますの。

 だから長時間の結界維持が可能なのですわ。


 ここは多くの術師が維持してますの。

 これだけの術師を動員して結界操具を維持するのは特別な場合のみでしょうね。

 ましてや真素充填具は最近発明されたばかりで数が少なく希少ですの。

 操作も困難で操り手も限られますわ。

 だから鍛練に使用と言うのは…」

うん、お高く付きそうです、はい。

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