神隠し3
不思議な不思議な兎さんに出会って当惑しているとだね、何かが飛んで来て兎さんにトスッとな。
兎って鳴かないんだよね。
断末魔ってのを聞かなくて良かったとも言えるが…唐突なるご臨終です、はい。
って、何でさぁ~、っか、何が起こったっ!?
困惑している俺の前に第1村人登場です。
いや地元民さんですよね?
ウサたんに続き、なかなかに斬新なファッションですな。
毛皮で作った衣類に革ブーツ、矢筒と弓を引っ提げた猟師さん?
何時の時代の?
っか、少年…十代前半の児童だよね。
もう働いてんの?
っか…どう見ても白いお肌に青い目で金髪さんやね。
日本もグローバル化が進んだもんだっと、思わず遠い目に…
そんな俺の前に第2村人が現れた。
中年っう感じで…おそらくは少年の父親だろう。
少年と男性は俺に驚いていたが、なんとなく気まずいので、とりあえずは挨拶でもってな。
「こんにちは」ったらな、目をひん剥かれた。
なんぞっ!?
したら、少年の父親と思われる男性が俺へ何かを告げてきたのだが…
ふんわぁ?何を言っとんの?
明らかに日本語ではない、では何語と言われても正直わからん!
すると男性が少年へ何かを告げるとウサたんの喉をナイフでな。
血、血がぁ~…あっ、これって血抜きってヤツ?
ウサたんの急所に刺さった矢も回収してるね。
っかさぁ、的確に急所へ打ち込み即死させるって…恐ろしい子!いや、マジで‼
少年がウサたん回収している間、男性は辺りを警戒している。
もしかして、危険生物でもいらっしゃる?
少年が簡単な作業を終え、腰布にロープで結わえたウサたんを引っ掛けるとな、男性が俺の腕を持って歩き始めたんさ。
う~ん…気分はドナドナさんです。
いやね、流石に俺も異変に気付いてるんよ。
スマホは圏外だし、角付き兎にマタギの外人親子との遭遇…これが本当の未知との遭遇って、をい!
親子が辺りを警戒しつつ歩みを進めるのを鑑みるに、おそらくは…いや、絶対に危険生物が居るやんね。
っかさぁ、俺が歩いた距離を越えて山を下ってるよね、これ。
バスから降りた車道は、何処行ったさぁっ?
歩き疲れた頃、ようやく山道を、いや、森を抜けた。
抜けたんだが…マジでさぁ…ここって、何処?
10数階建てビルに相当する丸太の杭が連なった壁がね。
大木、巨木って規模を越えてね?
っか、どうやって造ったんだ、コレ?
どうやら、その壁へ向かってるようだが…近付くにつれて、その巨大さに圧倒されてしまう。
あの~木、なんの木、気になる木、どころの騒ぎでないほどの巨木を元に造られた木壁と平行するように横幅が短い木壁がね。
どうやら、そこへ向かってるみたいなんだが…まだ掛かりそうだわ、これ。
流石に疲れたんですけどね、なんとかならんの?
っか、どうして、こうなったぁっ!?