神隠し27
料理に夢中になっていた2人だが、いきなり目の前が明るくなれば、流石に気付くようで…
食べている最中に口をアングリこっと開けるんじゃありません!
はしたないですよ。
流石に、はしたないと気付いたのか、直ぐに口を閉じたが…戸惑ってんな。
「あ、あのですわね」
「なんでしょう?」
ヒューデリア嬢がオズオズってな。
「そ、それは…その球のような光る物は…なんでございましょう?」
戦々恐々っう感じでさ、脅えたように尋ねられたよ、はい。
「なにって…」いや、なんだろね?
「いやね、先程、耳を澄ましたことを話しただろ?」
そう告げると頷いて応じてくる。
「ええ、控え室の目のメイド達が話している内容が聞こえられた…でしたわね?」
今度は俺が頷いてからな。
「その後にさ、メニューへ目を凝らしてみたんだよ。
そしたら俺の母国語たる日本語が、メニューの上へ浮き彫りのように現れてなぁ。
そんな文字は透明でメニューの文字が透けて見えた訳なんだが、メニューの文字と位置が重なってたんだよ。
おそらくはだ、メニュー文字が翻訳されたのではないかとね。
ついでに浮かんだ文字を意識したら、メニューを書いている者の考えと、書いていた情景が頭に浮かんできたんだわ。
これってさ、メニューへと焼き付いた、メニューを書いた者の思念を読み取ったんじゃないかって思うんだよ。
まるで魔法だろ?
だからさ、日本で見た物語に出てくる魔法が使えないかなぁ~ってね。
それでさ、火は危ないから光なら大丈夫と思ってな。
駄目だとは思ったんだが、暇だから試したら…」
「できてしまわれたと?」
頷くしかないよねぇ。
「つくづく規格外な方ですわねぇ…
ふぅ。
招かれて間もないのに真素使い並…いえ、下手をしたら真導師クラスなのでは?
既に私の手に負えませんわ。
それに…光でなく光るだけってなんですの?
聞いたことも無いのですけれど」
困惑顔の2人は、最早食事を摂る気も失せたようである。
勿体ないな、をいよぅ、勿体ないオバケでんぞっ。
でぇ、食事を終わらせた2人は外を見て、既に到着していることに気付きましたとさ。
俺の荷物は運び出されており、俺達が下車待ちらしいよ、うん。
まぁ、お2人さんの食事待ちだった訳で…仕方がないさ、仕方がない。
2人供が真っ赤になっていたけど…そんなこともあるさ、ドンマイ!
で、だっ!
俺は2人より先に降りてな、いざ鎌倉…じゃなくてぇっ!いざ魔法…ちゃった真素操作をな。
『メ○ゾーマじゃねぇメ○だ』を体現しちゃうよ、イヒッ。
危ないので鳥車から離れて真素操作を。
行きますぜぇ!って、へっ?
今、火花らしき…いや、ウソやんね。
もう一度…火花、しかも、チカッとな。
い、いや、アレだ、アレ。
火の特性が無かったんだろうさ。
先程成功した光なら…同じく、チカッって…えっ!?
なら、耳を澄ますせば…異世界語やね、うん。
全く真素操作できてないやんね。
どゆことぉ~




