表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/151

神隠し22

まぁ、俺に真素を感じる才能が、あるのか、ないのかは、別としてだ、容易く真素を感じるようにはならないということは分かったよ。


あっ、だからかっ!

招かれ人を騙る輩が現れるのは…


招かれ人を騙って受け入れられた場合は、真素を扱えないから偽者、とは、ならない訳だな。


バレない限りは招かれ人として、今、俺が受けている優遇を享受できる訳だ。

そら、騙りが絶えんわけだわ。


しかし真素を感じられるようになる自信はないが、肉体が強化されたかを試してみるのは良いかもしれんな。

例えばな、耳を澄ましてみた場合に、より良く聞こえるかとかさ。

試しに、やってみるか、なんて…


「もぅ、鳥車業務に就くと太ってしまうわ!」

「なら食べなければ良いじゃない」

「そんなの無理よ。

 あなただって食べてるじゃない」

「私は諦めたもの。

 他の業務の時に調整するわ。

 でないと、業務に差し支えるもの」

「そうよねぇ~

 お嬢様のように空腹を抱えて上品になんて、私には無理だもん」

「これこれ、お喋りは、そこまでにしなさいな。

 そろそろ料理が仕上がりますから給仕のお仕事ですわよ」


………耳を澄ませば…控え室だろうか、休憩中のメイドさん達の内緒話が聞こえてきた。

って、えっ!?マジでぇ!


俺が戸惑っているとヒューデリア嬢から問い掛けがな。

「急に戸惑われておられるみたいですけれど…どうかなさいまして?」っと。


俺は今のことを説明しようかと考えたのだが…影で使用人達が先に食事をしていると告げて良いものかと、躊躇(ためら)ってしまう。

だが、話さない訳にもいくまい。


ことは俺の能力、そして待遇にまで関係するやもしれん話しだ。

そう考えるならば告げるべきだろう。


「実は…」

俺はメイドさん達が控え室で話していた内容が聞こえたこと、猟師親子に案内された際の話しなどを語って聞かせる。


「まぁっ!素晴らしいですわっ!

 真素を感じるのには数年は掛かり、肉体的に変化が認められるだけでも最短で1年と言われておりますの。

 聖女様でさえ半年以上掛かったと聞き及んでますのに…歴代最短ではありませんこと?」


興奮したように告げてくるのだが…そうかぁ…歴代最短かぁ…俺ってば才能あるね?ニヒッ。


しかしさ、真素を感じるまで、そんなに掛かるもんなんだなぁ~

そんなことを思っている俺へアリンさんが不思議そうにな。


「メイド達が語っていたことが解ったのですか?」っと。

意味が分からずアリンさんをマジマジと見てしまったが、ハタッと気が付いた。

何で異世界の言葉が分かるんだ、俺?


明らかに異常だ。

今迄は理解出来なかったにも関わらず急に分かるように…なってないな?

近くに居るメイドさん達が話している内容は全く理解できない。

どういうことだ?


そのことを2人へ告げるとだ、ヒューデリア嬢がハッとしたようにな。

「もしや…真素にて感じとられたのでは?」ってさ。

いやいや、意味が分からん?


そんな俺へ続けて説明をな。

「真素を通して人の感情や意思を感じ取れると伺ったことがありますの。

 私は行えないため詳しくは存じませんが、もしかして無意識で真素操作なさったとか…」


へっ?そんなことって有り得るんかいな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ