神隠し149
俺が元居た世界…地球。
そこへ俺が戻ってしまうかもってことで、大騒ぎにな。
いや、なんで?って思っていたらさ。
「数百年に1度しか現れない招かれ人が、元の世界へ戻られるのですのよっ!
しかも葵天は様々な有益な物を創り出されておられるではないですかっ!」ってさ。
そ、そかなぁ~
「例えば?って尋ねるとな」
「え~っとぉ…○RANGINAとか…」
「○RANGINAかよっ!
どんだけ○RANGINAが好きなんやねんなっ!」
「かき氷も、ですわねっ!」
「また食い物かよっ!
食いしん坊かっ!」
そんな俺達の掛け合いに呆れたように執事長がね。
「それも無いとは申しませぬが、何よりも物資を創製されたことが大きいかと。
特に、各貴金属を産む各種卵、これが孵化し繁殖に成功すれば、革命的なことですぞ」
「あら、エドワード様。
葵天は黄金鶏の番を創製なされておられますわ。
他の貴金属を産む鶏を創製して頂ければ、繁殖せる手間は無くなるのでは?」って、ことをさ。
エルドリア・メイド長が告げた話を聞き、執事長が頷き告げる。
「言われてみれば、誠に、その通りですな。
ですが、受け入れ施設の問題もございますので…葵天!創製なさらないようにっ!」
危なかったぜっ!
創製し掛けて、慌てた執事長に止められたが、止められなかったら創製してたな。
部屋中が鶏だらけ…
まさしく、やっちまったなぁ~ってヤツになるところだった。
「こ、こほん…
まぁ、一番の功績は、貴金属を産む鶏でございましような。
他にも、元の世界より持ち込まれた野菜や穀物の種もでございましよう。
我が国へ与える恩恵は多大な物かと」
確かに言われてみれば、結構なこと遣ってんなぁ~
「あの豆のことが、抜けているのでは?」ってアリンさんがね。
あっ!起きたのね。
「それもでしたな。
しかし…思い返せば、信じられぬ品ばかりにございます。
他国へ知られれば、騒動になりますな」
まぁ、普通は有り得ない品ばかりだからねぇ…
「葵天。
私が気を失ってる間に、何があったのかは存じませぬが…
葵天が戻られるとの騒動になっているようなのですが…
戻られるとは?」
そら、気を失ってたら分からんわな。
だからさ、アリンさんが気を失ってる間のことをね。
「なるほど…して、直ぐに創製されないと言うことは、何か問題がございますね?」っと。
チッ、これだからイケメンは。
「俺が知る次元移動…地球へ戻る方法が書かれてる小説の大半は、個人の能力なんだよ。
そんな遣り方を実現させるのは無理だろ。
だから道具でっと思ってんだが…そんな魔導具は施設規模ばかりなんだよ。
こんな狭い場所へ施設規模の魔導具は創製できないからな、どうしようかと考えてるんだよ」ったらな、アリンさんがね。
「小説に書かれていた代物を創製可能なら、葵天が新たに小型の物を考えて、それを創製なさったら如何ですかな?」っと。
へっ?俺が考えて?
それってさぁ、俺が妄想する代物が実際に創れるってことかいな?
…イヒッ!唸れ、俺の妄想力ってね!




