神隠し148
俺が創製した指輪をイレイザーで消し、更にグン○ニル、イレイザー自体を消し去り、再度、指輪を創製して指へと。
続けて行われる俺の挙動に、呆気に取られていた皆が状況を理解して騒ぎ始めたよ。
んでな、エドワード執事長がさ…
「葵天は、神にでも成られるおつもりか?」っと。
え~っとぉ…紙?髪??何が…まさか神!?
「逆に訊くんだけどさ、その神とかになって、何か特するの?
てかさ、この世界って、神様は実在してんのかな?」
読んだ小説などでは、神様が実在する世界もある。
ここは異世界であり小説の世界ではないが、真素などの不思議な代物が存在する世界だ。
神が実在していても、おかしくはなかろう。
神っち、とかね。
「いえ、生憎なことに神が実在したと聞いたことはありませんな。
神話や経典では、神が実在するとなっておりますが、実際に出逢った者を知りませぬ」
だろうね。
「俺の元居た世界でも同様だわな。
それでな、そんな神になったとして、神は何をする存在なんだ?
奉り立てられるだけの存在?
人々を見守るてことで人間観察するのかな?
因みに、世界の調整や調停なんかは無理だから。
俺が考えるに…神になるメリット自体を感じないんだけど…」
俺に告げられ、唖然と俺を見る執事長。
「何か勘違いしてるみたいだけどさぁ。
俺は、この世界へ迷い混んだ迷子なの。
なんか真素操作で創製ができちゃってるけど、一介のサラリーマンに過ぎんかんな。
だから、妙な期待されても困るんだよ。
殺されるのは絶対に御免だけど、望みは元の世界へ…」
言ってて気付いた…
俺ってば、阿呆ぅ?
小説の中には異世界と地球を往き来できる魔導具の存在もあったはず。
なれば試してみたいが…流石に次元を越える実験は危険を伴う可能性がな。
「また、何やら思い付かれましたのね」
ヒューデリア嬢が疲れたようにな。
「いやな、この指輪を創製できたから、ある魔導具も創製できるんじゃないかってね」
「それは…どのような物なんですの?」
そがぁに、恐々訊かんでも…
「あっとな、次元を移動する魔導具。
簡単に言えば、こちらと俺が元居た世界とを、往き来できる魔導具だな」
「戻られてしまいますのっ!?」
ヒューデリア嬢が驚愕の顔でな。
いやいや、俺は最初から戻りたいってたよな?
「可能なら戻りたいんだがな…」ダメ?
「戻られた際、こちらへ再度来られることは、可能なのでございましようや?」
執事長が深刻そうな顔でね。
「ん~無理じゃね?
あっちには、真那なんてない訳だし…」ないよね?
発見できてないだけの可能性もあるけどさ。
なにせ原子より小さな存在なんだぜ。
原子や、霊子?だったか?を構成してるって…阿呆?
まぁ、地球に実在してたとしても、現在の科学技術では確認できんだろうがね。
「それにさ、万が一、真那が存在していたとしても、高濃度真素領域は造り出せないでしょうから、創製はできません。
そうなると、こちらへ戻るための魔導具を創製できませんからね」
「持って行くことは、できませんの?」
そうヒューデリア嬢がさ。
俺が知る次元移動装着は施設レベルのだな。
後は個人の能力となる。
個人能力は無理だから、施設なんだけど…これにも問題がな。
レクイア鳥の結界外枠と鳥車の間と言う狭い空間へ施設を?
無理じゃね?
さて、どうしよう…




