神隠し138
色んな卵が出来たんでな、孵卵器が足らんとさ。
なので、昼休みではないが、いったん帰ることにね。
しかし、色々卵は良いんだが、食べてはダメだと思われる卵もな。
いわな、鉛って結構なシーンで使用されるらしいんだが、鉛自体は鉛毒って、体に悪い、いや死に至る毒だ。
その鉛色の卵…食べて害になる可能性がな。
では、金は良いのか?ってぇとな。
金はな、毒にも薬にもなりゃしねぇんだわ。
何故かってか?
そらぁよ、胃酸で溶けやしねぇいし、体内へ吸収されもしねぇかんな。
食っても栄養にならずに排泄されるだけさね。
排泄されないてぇことはだ、内臓へ引っ掛かるほどの大きな金を飲み込んでな、体内で詰っとるんだろうよ。
良くな、高級料理へ金箔が掛かっていたりしてっだろ?
高級酒へ金箔が入っていたりな。
ありゃあっ、飾りだぜ、飾り。
食べても害にはならんがね、栄養にもなりゃしねぇ。
気分だけの問題っうサービスなんだろうがよ、華やかんなった分、値段が跳ね上がるてな。
俺に言わせりゃあよい、金箔分の値段で料理自体のグレードを上げろてぇんだよ。
っと、脱線、脱線てね。
すんまそぉ~ん。
まぁ、金は害にはならねぇが、他の金属は解らない。
だから食べるのは控えて貰ったよ。
こちらについては、害が出るかを検証して貰うために、研究機関へ卵を委ねることにね。
そのため、各種卵を複数づつ用意する嵌めになったが…自業自得って、アータさぁ、そりゃないべさ。
さて、卵については孵化するかの検証と、食せるかを研究機関へ委ね検証して貰うとしてだ。
それらの検証は、直ぐに終わるものではない。
その間は待ちに…は、してくれないのかよっ!
えっとぉ…お次は…架空の産物が創製できるか?
いや、卵で出来るって分かったやんね。
まだ、やるの?
視点を変えたら生き物が創製できたから、他にも考えを変えれば創製可能かもってか?
まぁ…一理あるが…さて…
「まぁ、その前に、1度戻りませんと」
ああ、孵卵器の件ね。
パッジャー鳥を飛ばして、孵卵器を用意するように指示をだしているそうな。
パッジャー鳥が寄生するレクイア鳥の羽根が置かれた場所なら、パッジャー鳥は伝書鳩みたいに飛んで行き文を届けるかんなぁ。
この方法で調教室から向かわせられる場所は2ヵ所となるらしい。
1つは鳥車で、こちらは羽根もだが、レクイア鳥の香りが染み付いているそうな。
そんな濃い香りと、羽根だけの薄い香りね2種類を区別させ飛ばしているらしいんだわ。
レクイア鳥へ戻す時は、パッジャー鳥の帰巣本能にて調教室へと至るらしいぞ。
そんな感じでヴァルハラ館と連絡を取り合っているんだってさ。
だからな、帰ったら既に孵卵器が用意されてたよ。
孵化させる卵は孵卵器へ。
研究機関へ委ねる卵は、執事が1人、卵が入った籠を抱えて向かったよ。
ご苦労さんです。
でぇ、俺は葵層の昼餉処へとね。
あの黄金卵を提供してってるんだが…あの卵は栄養あるんかねぇ。
成分が金だと、腹は膨れてめ栄養にはならないだろう。
いや、待てよ…
美味くて腹が膨れて栄養にならない…
栄養にならないってことは太らない。
いや、栄養を取らないから痩せる?
究極のダイエットやぁ~
まぁ、本当に栄養が得られないならな、実際は、どうだろね?




