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神隠し133

会議でな、空想の産物を創製せよっ!ってぇ無茶振りされた訳だけど…空想の産物って、何さ?


アニメや漫画に出てくるような物?

ゲームに出てくる品?

お伽噺や童話、昔話に出てくる品か?

神話と言うのもあるか…


完全な俺の妄想も含んでたりして。

っても、1から妄想を巡らせるなど、難易度が高過ぎるわな。


「いやいや、架空の産物を創製って…範囲が広過ぎですよ。

 何をどうすれば…」

困惑する俺へ、宰相様がね。


「まずは、確実に創製できない物を確認願います。

 生物の創製は不可能、そう、お聞きしておりましたが、植物も生物にございます。


 そう鑑みるに、本当に生物の創製は、行えないのでございましょうや?

 もしやして、創製が行えないと、思い込まれているだけでは、ありませぬか?


 確かに生物創成は禁忌とも言えまするからなぁ。

 そのお気持ちが、創製を阻害しておるやも知れませぬぞ。


 むろん、人などの知的生命体の創製は、検証であっても、ご遠慮願いまする。

 例えば、鳥の卵などで試されては如何?」


いや、鳥の卵は架空の産物では無いと思うのですがね…

宰相様も、案外混乱されてる?


空想の産物で卵なら…ドラコンとかグリフォンか?

いやいや、バジリスクとかコカトリスなどか?

それとも、ハーピーなんかだったりさ。

妄想ワールド全開ってね。


「葵天、間違っても危険生物の卵を創製なさらないでくださいまし」って、ヒューデリア嬢がね。


何故分かったぁっ!


「エスパーかっ!?」

「エスパーが何かは存じませんけれど…

 ヤッパリ、行おうと思ってらっしゃったのですわねっ!」


いや、バレてぇ~らぁ。


「いやさ、卵と言えば、ドラゴンとかワイバーンの卵だろ!

 絶対に格好良いよなっ‼

 竜種の卵って、ロマンを感じね?

 後、グリフォンとかさぁ」


男性陣は興味を惹かれたようだが、女性達はドン引きってね。


「葵天。

 そのような危険生物を創製なさっては困りますな。

 この世界に存在せぬ驚異を創り出し世に放つは罪悪でございまする。

 ご一考をば」


宰相様に釘を。

あれ?宰相様って、もしかして女性?

男なら、このロマンは分かるっしょ‼


まぁ、女性はモッコシタイツは履かないか…


「葵天。

 架空の産物を試される前に、やはり生物創成の禁忌が行えないことを、もう一度確認いたしましょう。

 鶏の卵ならば、創製に成功しても問題ないと思われますゆえ」

そう、アリンさんがね。


まぁ、そうね。

でも、ドラゴン…試してみたかったなぁ~

あっ、ドラゴンがダメならさぁ龍とかは?

せめて玄武とか朱雀なんか…


ヒューデリア嬢、ジト目で人が萌えるっうのは嘘だからね、ジト目は止めなさい、ジト目は。

どうやら考えが読まれたようだ。

なんでだろね?


「ふぅ、葵天は、何かを思い付かれたら、必ずニンマリされています。

 それは今朝、鳥車にて、お伝えしております。

 それで、今度は、何を、思い、つ・か・れ・た、ので?」


ああ、今朝、確かに言ってたか…

「いやね。

 東洋の龍は竜種になるのかなぁ~とか、さ。

 玄武や朱雀の卵はできるのかなぁ~って、思っただけだよ」

うん、思っただけさぁ~

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