神隠し127
「それで、何を、創製、しようと、なさって、たんですか、ねぇ?」
いや、そがぁに区切って言わへんでも…
さいですか?
「いやね、さっきの豆が出てくる物語りのアイテムをね」
その創製しようとしたアイテムの説明を。
したらな…
「それは、創製された途端に、世界中へ飛びさって散らばるのでは?
しかも、必ず実現されるのではなく、できないこともあると…」
あ"っ…あちらの世界へ戻ろうかと思ったんだけど…無理かな?
まぁ、ダメ元っうしさ。
アリンさんもエドワード執事長も興味を惹かれたようだね。
やはり冷静な女衆と違って、男はロマンてぇのが解ってらっしゃる!
ってことでな、創製したら…オレンジ色に透ける水晶珠が複数…うん、立体的な赤い星が入った、ただの水晶珠ですね、ありがとうございます。
なんでじゃぁぁぁっ!
自棄になって、青いタヌキと黄色いタヌキの兄妹が腹袋から出す秘密道具を…
うん、ね。
形だけ再現できましたよ、ええ。
ピンク色の気持ち悪いドアとかさぁ。
単なるオブジェですね。
竜玉のカプセルも創製したけど、当然、動きません。
機械的な代物は、やはりダメみたいですね、クソッ!
液晶テレビなんぞもね。
っか、そもそも電源無ぇ~じゃんねっ!
電源あっても動くか分からんが、多分、ダメだろう。
クソッ!
ならば、シャーペンに消しゴム、ノートにボールペン、修正液!
ドヤっ!
うん、文房具系は行けるか…
「ストップ、ストォーップ、スタップゥっ!」
アリンさんが慌ててな。
どったの?
「これ以上、増やさないで下さいっ!
既に収拾が付かない状態なんですよっ!
解ってられます!?」
あ"っ…せやったなぁ~
収拾付かないから創製を中止して帰るんだったけか?
いや、これは、アレだ。
仙大豆ができたのが…いや、竜玉が形だけしか出来なかったのが、あかんのやっ!
っか、竜玉系は悉くできんのは、なんでじゃぁぁぁっ!
武○術はでけへんのにぃっ、レ○・ウ○ングはできるのは、合点がいかんぞっ!
そんな俺の思いは他所に、無惨にも撤収です。
クソッ!
タラーザ荒野から飛び立ったレクイア鳥は、ご機嫌良く飛翔してね、アッっと言う間に第1宮の屋上へと。
皆さん炭酸水が気に入ったのか、炭酸水は出してます。
以前に出した品は創製しても良いって…
単に飲みたいだけでしょ?
なんなら、土偶や埴輪も出そうか?
えっ?
そちらは要らないが、かき氷が欲しい?
なんてぇ、贅沢さんなことをぉ~
アレは天然氷のかき氷だかんね。
元の世界でも、売ってる場所へ行かないと食べられない品なんだけどなぁ~
まぁ創製しましたよ。
俺も食べたかったからなっ!
何せ初夏間近なんでな、暑いんだよっ!
レクイア鳥の結界でも、熱気はね。
飛んでる時は、一時的に涼しくなるが、地上に降りるとな。
鳥車から出ると、創製できなくなるから、出る前にさ。
うん、天然氷のかき氷は、やっぱり美味い!




