神隠し124
聖女様に招かれた晩餐会の次の日。
今日もタラーザ荒野へと遣って来ている。
鉄の創造などについては、エドワード執事長が報告書を纏め宰相府へと提出済みなんだとか。
鳥車にて認めた報告書を執事が宰相府へ赴き提出したらしいな。
それに対する下知が今朝早く届いており、口外無用としつつ、真素操作による創造検証は続けるようにとのことだった。
なので、朝餉処で朝食を摂った後、直ぐにタラーザ荒野へとな。
今日は、俺がこの世界へ来た時に持っていた荷物も持参している。
実物が存在する物の複製が行い易いことは、昨日のアクセ複製で判明してるからな。
俺の荷物には、先輩から借り受けた登山用品が入っている。
いやさぁ、ペンションへ泊まりに行くのに登山用品は変じゃね?っとは思ったんだよ。
寝袋まであるし…
実際にバスから降りて、民家は一軒もないわ、未舗装の山道一本っう状態でな、登山道具にちょっと納得したけどな。
車が離合できる広さの道とは言え未舗装はなぁ…
先輩も現地の状態が分からない、って言っていたから、念のためだったんだろう。
その装備も新古品でな、最新とは言わないが、十分に最新の型落ちとは言えるだろう。
これらを複製できれば、野外活動に有効だろうな。
この世界は深森が深く密林と言っても良い場所が広がっているそうな。
そんな森へ挑み、様々な糧を持ち帰る者達もな。
騎士や兵士も定期的に森へと続く主観道の整備と護衛へ赴くのだとか。
そんな彼らにも、これらの品は役立つだろう。
特にメタルマッチなんかはさ。
後、アルミ食器などは軽量だから荷物にならないだろう。
そして、これらの用具は製品としての価値もだが、使用されている素材の価値もな。
チタン、ステンレスにアルミニウム…
この世界では造られてない金属が使用されているんだよ。
これらは実在する金属であり、オリハリコンみたいに架空の代物ではない。
実物も手元に存在する訳だ。
だから、創製も可能だったよ。
これらの登山用品以外にも、駅を降りた近くの建屋で行っていた地域の物産展で購入したしながな。
まずは、馬油や椿油などから造られたシャンプー、リンス、ボディソープの詰め合わせは、創製しておきたい品だ。
旅行用の小分けセットだから量はないが、創製できるならば問題あるまい。
俺が持参していた愛用品であるシャンプー、リンス、ボディソープもだな。
女性陣が欲しがるから大量に創製しましたが…なにか?
後な、家庭菜園用に売ってた野菜や米、麦に蕎麦などの種セットなんだが、生き物に分類されるから無理かと思ったのに、創製できてしまったよ。
これらの品は品種改良されて病気に強く味も良い品種だな。
こちらの世界で栽培されている品種よりも、優れていると言っても過言ではないだろう。
後、火入れして無い醤油と自家製味噌も、野菜を売りに来ていた農家のおばちゃんが小量な。
これが旨かったんだよっ!
ってことで、これも創製ね。
複製した品はエドワード執事長を経由して皇王様へね。
評価次第で、また創製しても良いし…
さて、次は、何をしようかな?




