神隠し121
晩餐処で俺を待っていた聖女様である靖子天なのだがな、見た目は10代後半っと言って良い少女だった。
う~ん…大学生って言うか、高校生だろうな。
しかし、以前の情報からするとだ、終戦間際で8歳なら80代でないとおかしい。
しかも、文には400歳以上とね。
女性に年齢を尋ねるのは失礼なので聞かないが、これが本当の合法ロリにて見た目詐欺ってヤツだな、うん。
黒髪黒目の黄色人種、っか日本に居るような平凡な少女だな。
っか、身長は140後半ではないだろうか?
自棄に小さく感じるが、女性だしな…
そわなん考えてるとさ、あちらも同じように考えてたのか…
「しかし…デカイねぇ…なに食ったら、そがあにデコう成れるんじゃろか?
まぁ、うちが居った頃とは違うんじゃろうけど…戦争、どがぁなったか知っちょるね?」って、尋ねられたよ。
したらな。
「靖子天、取り敢えずは席へ着かれてから、お願いできますか?
お招きした葵天も立たれた侭となられておりますし…」
ヴァルキュリアのリーダーらしき方がな。
「あっちゃあ~うちとしたことが。
こりゃぁ済まんかったねぇ。
ほんじゃぁ、席へ行こうやぁ」ってさ。
う~ん…見姿は女子高生なんだが、まるで、おばちゃんと話してるみたいだな。
アメちゃん、あげよう、なんて言い出さないよな?
席へ案内されて着くと、既に料理がテーブルへとな。
うん、ザッ・和食っう感じかな?
煮物、煮魚、焼き魚に刺身もね。
刺身って、寄生虫は大丈夫なのか?
不安になって訊いてみるとだ。
「それは大丈夫じゃけぇ安心しんさいや。
これ、生ぁ見えるけど、生じゃないけぇね」ってことをね。
いや、生にしか見えないんですけど?
俺が首を傾げるとだ。
「超低温で急激に凍らせちょるんよねぇ。
そがぁすると、寄生虫なんかも死ぬけぇ、瞬間解凍したら刺身でも大丈夫になるんじゃと」
「ルイベかっ!」思わずな。
だが、ルイベは凍った侭で切り分け、火で炙りながら食べると、本で読んだことがある。
凍らせることで寄生虫が死に生食も可能となるのだとか。
ただ、冷解凍に時間が掛かると細胞が壊れ、ドリップなどが発生するらしい。
ドリップは細胞ないの旨味を含むので当然不味くなる訳だな。
それを防ぐには、急激な冷解凍を瞬時に行う必要があるのだとか。
最近は技術革新も進み、それが可能となっていると聞いていたが…
「もしかして…冷解凍は真素操作で?」
「ほうよ。
元の世界じゃぁ無理じゃろうけど、こっちは真素操作があるけぇねぇ。
あっちじゃぁ考えられんことが、ようけぇあるんよ。
凄いじゃろっ!」
うん、凄く自慢気ですね。
聖女様が、こちらへ来たのは太平洋戦争末期。
物資不足で国民は、日々の食事にも苦労していた時代だ。
テレビ、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、扇風機が家庭に普及しておらず、自家用車や自家用バイクなど有り得なかったそうな。
電車も無く汽車だな。
ラジオはあるが、パソコンなんざぁ影も形もないってな。
漫画も贅沢品として世の中から消えており、アニメなんざぁ埒外だろうよ。
令和へ生きる者達からしたらさ、想像もできないだろう。
コンビニどころか、スーパーが無いからなっ!
逆に聖女様が令和の世へ戻ったら、それこそ異界だろう。
家庭に電話など、トンでもない時代の方が、持ち運べる個人電話で動画像も見れるんだからなっ!
う~ん、聖女様へ令和時代を語ると騙りと言われそうだ、どうしよう…




