表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/151

神隠し103

ヒューデリア嬢の無茶振りではあるが…他に手があるかと言われるとな。


「むっ、むむむっ…

 ですが…しかしですなぁ…」

エドワード執事長が悩んでるな。


有用性と危険性とを天秤に掛けて考えているんだろう。

けどなぁ~レクイア鳥が俺の居る、居ないで行動が変わるのだとしたら、俺が同行することが前提となるだろう。

そう考えると、選択肢自体がなくなってしまうよな。


「取り敢えず、調教室へ行けるか知りたいんだけど、行けるものなの?

 それにさぁ、調教室とは、どうやって連絡を取り合っているんだろ?

 調教室へ行くにしても、調教室と連絡を取り合わないとダメだよね」


疑問点を尋ねてみると…


「実は調教室と鳥車の間を飛ぶ鳥がおりましてな。

 この鳥は、元々レクイア鳥へ住み着いておりまして、レクイア鳥へ寄生する虫を獲ったり、毛繕いを行う習性があるのです。

 その鳥、パッジャーを飼い慣らし、調教室と鳥車との間にて連絡しておりまする。

 これへ」


エドワード執事長が告げると、控えていた執事が、鳥籠へ入れた鳥を持ってな。

いや…これは、想像を裏切るほどに綺麗な鳥だなぁ~


エメラルドグリーンを基調とした体毛で、翼はサファイアブルー。

首輪をしたようにルビー色の輪がね。

そして目の回りだけ白色になっているんだ。

嘴と足は黄色だな。


派手ハデな鳥に見えそうな物だが、絶妙な調和を保ち、高貴ささえ感じさせる、美しい鳥だったよ。


「この鳥がパッジャー鳥なんですか?」

そう尋ねると、執事長が頷きつつな。


「さようでございます。

 この鳥の足に文を付けましてな、放つと調教室と鳥車の間を取り外し飛び着させる訳ですな。


 まずは、このように文を足の器具へと入れます。

 開けた蓋をシッカリと閉めることが肝要ですな。

 その後は、このように、鳥籠の扉を開けますとな………………」


いや、エドワード執事長…そんな顔で、俺の顔を見てもさぁ、俺のせいじゃ無いべっ?

いや、ないよね?


いやな、扉を開けたタイミングで出てきたパッジャー鳥がさ、何故か………俺の頭へ居ますね。

非常に非常(ひじょ~)にぃ嬉しそうで、楽しそうなんですが、なんで?


そんなに、俺の頭の上はさぁ、居心地が良いの?

けどね。

「あのね、お手紙を届けて欲しいなぁ~」ってね。


いや、俺…なんで鳥に話し掛けてんだろね?

言葉が通じる訳が…


「飛んで行きましたなぁ~」っと、執事長が呆気にとられたようにな。


もしかして…言葉が通じた?

まさかね。


「まさかパッジャー鳥までが、葵天へ懐くとは思いませんでしたぞ」


そんなことを言われても、照れますなぁ~

っか!鳥や馬に懐かれるよりも、人間の女性にモテたいわいっ!

っても、ハニートラップは、御免だがなっ!


待つことしばし…パッジャー鳥が戻って来たな。

鳥籠へ戻らずに俺の頭へ乗るのは決まりなんですかね?


「この指に止まってくんない?」って、人差し指を胸の前へ出すと、その指へ飛び移ってくれる。


執事長がパッジャーの足に付けられた器具から文を取り出す。

きちんと返信の文を受け取って来たようだな。


こんな小鳥がなぁ~

凄いもんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ