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神隠し101

屋上へ戻るとレクイア鳥の姿が見えた。

本当に居たよ。


取り敢えずは鳥車の結界内まで戻ってみたんだが…


なんだか拗ねているような感情を感じた後、爆発的な歓喜の感情へと切り替わったような…


明らかに高濃度真素の影響だろう。

ユラちゃんからの感情も感じかれるようになったしな。


人間の感情は感じないが、1羽と1匹からの感情だけ認識可能なようなんだ。


まぁ、意思の疎通ができる訳ではないが…どうも、俺が去ったことでレクイア鳥が拗ねたのではないかとな。

自意識過剰だとは思うのだが…どうだろう?


ただ1つハッキリしたことはな。


「なにやら機嫌を損ねておりました、レクイア鳥の機嫌が良くなったとのこと。

 原因が解らず調教師が困惑してるようですな」


「今は機嫌が良いんだね?」そう確認すると。

「さようでございます」ってね。


ならば実験だ。

「俺だけレクイア鳥の結界から出るから、レクイア鳥の状態が変わるか確認してみて」

そう告げてから、結界から出る。


「ふむ、何やらレクイア鳥が辺りを見回し探し始めたとのこと。

 機嫌も悪くなっているようですな」


ほうほう。

では…無言で結界内へと。


「おや?安堵したように落ち着き…ふむ、また、辺りを?いや、落ち着いた?

 何が起こっておる!」


あっ!エドワード執事長がキレた‼


「ごめん、ごめん!

 検証してたんだよ」


悪気はない、本当だよ。

ちょっと、ほんの、ちょびっとだけ、エドワード執事長と乗組員との遣り取りが、面白いと思ったけどさ。

内緒だよ、うん。


「検証、で、ございますか?」

エドワード執事長が首を傾げている。


したらアリンさんがな。

「葵天が行われていた先程の行動と、何か関係がございますか?」ってね。


「いやね、滑稽無糖な話ではあるんだけどさ。

 結界内だとレクイア鳥とユラちゃんの感情が、なんとなく感じられるんだよ。


 で、結界から出る時に、寂しがっているように感じたから戻ってみたんだ」


「それでレクイア鳥の機嫌が直ったと?」

「たぶんね。

 ただ確証が欲しかったからさぁ」

そう俺が告げると、執事長が合点したように。


「なるほど、さきほどのレクイア鳥がとった行動は、葵天のなされた動きに連動しておったのですな」

まぁ、そう言うことだな。


「俺も確信はなかったんだが、検証して確信したところなんだ。

 まぁ、なんの解決にならないけどさ」

思わず外人みたいにさ、肩を竦めてしまったよ。


俺が、そう告げるとな。

「そうでもございませんぞ」っと、執事長がね。

どう言うこと?


「原因が分かるのと、分からないでは、対応の取り方も変わりますからな。

 とは言え…さて、どう致しますかな?」


考え込むエドワード執事長を見ていると、ヒューデリア嬢がな。


「葵天が乗っている間は言うことを利くのでしたら、葵天が乗車した侭で移動されたら如何かしら?

 少なくとも、ここからは移動させられますわ」ってね。


「そうした方が良いでしょうね。

 ヴァルハラ館第1宮の駐車場を、何時までも占有する訳にもいかないでしょうし」

そんなアリンさんの言葉で、再び鳥車へと。


俺達が乗ると、普通にレクイア鳥は素直に飛び立ったよ。

でもさ、これから、どうするんだろね?

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