-第一章エピローグ- 監察者
『第一章』エピローグとさせていただきます。
能力者達という題名ですが、読みはスキルマスターです。
──奴らが《十二支》か? 十二支というくらいだから、人数は十二人だと思ったていたがそうではないんだな。
私は今、力の発生を感知したので少し見に来たのだが、目的である十二支に会えるとは思ってなかった。
《キング》の《千里眼》の能力を使い何とか見つけ、監視しているがなんのアクションも起こさない。
──奴らが本当に十二支なのか?
私は監視を続ける。距離は五百メートル以上離れているので気付かれてはいない筈だ。いない筈だった。
背後から何者かが迫って来ていた。それに気付くとすぐさま飛び退り《キング》を《千里眼》から《警棒》へ変える。
──この距離まで近づいて来るのに気が付かなかった。
「誰だ?」
私は五メートル以上距離を取り警棒を構える。すると仮面を着けた小柄な少女と思しき者は言った。ただの少女ではないだろう。
「うーん? 誰かなー? 誰だろー? うん、取り敢えず《猫》でいいよ」
「《猫》?」
確かに少女は猫の仮面を被っていた。
「時間も時間だね。中学生かな? こんな時間に出掛けているのは良くないんじゃないかな?」
体格からして中学生、その位だと推測出来た。
「そんなー。中学生なんて失礼しちゃうなー。これでもお兄さんより全然歳上だよー」
「そうかい」
「ていうか、それを手に持ってるってことは……やる気満々だよって事だよね?」
「君が私にかなうと?」
只者ではないだろう。だが、私の能力の属性は《戦争》。私は挑発気味にそう言うと仮面を被る少女は不気味に嗤ったような気がした。
「当たり前だよ。《パンドラ》のお兄さん」
私はその言葉を聞いた途端、跳躍していた。
──という記憶はある。だが気付けば朝になっていて、監察対象を逃がしてしまっていた。
昨夜会った《猫》は何者だったのだろうか。
私は立ち上がり職場へ向かうことにした。
***
「《パンドラ》のお兄さんは元気で何より。あとはは繰平君達か……楽しみだなー」
そういい仮面を外した少女は、十二人の人間達と嗤いあった。
これにて『第一章』完結となります。
プロローグもそうですが、エピローグでも訳の分からないキャラを出してすみません。これから物語が続いてくにつれ、分かるようになりますので。
次の投稿は、来月の八月一日の正午となります。読んでいただけると嬉しいです!