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能力者達  作者: 蒼田 天
第三章 十二支決戦篇:上
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対人戦闘訓練Ⅱ(2)

   2


 ブゥゥヴ、ブゥゥヴ……と周期的に鳴り響くバイブレーションの音。二時間後に設定したアラームの音。目を覚ますが、正直寝足りない。

 アラームを止めてベッドから降りる。時刻は十六時になろうとしている。

 ディスプレイが一瞬固まり、上から『ノブ』と表示された着信が表示される。

「あぁ、起きたよ」

『声ガラガラだな。どうする? 今日は終わりにするか?』

「いや、やっておく」

『まあ、やらんって言われてもやらせる予定ではいるから安心しろ。こうやって休んでいられるなんて、実践じゃ当然無理だからな』

「否定はしないが、俺はコマの治癒をしていたんだ。労働的には仕方がない。あそこまでの傷を治すって、力の消費が相当……」

『それも含めてだ。確かにオレと比べるとその仕事量はまあ、大変だとは思うが、敵の数は把握出来てない。弱音は吐いていられないのは分かるだろ』

「まあ」

『それじゃあ、この後はリョーとで組んでいいか?』

「否定したところで、結果が変わらん。少ししたらそっち行くから」

『OK。腹ごしらえはするんだぞ』

 ──え?

 通話を切られた。腹ごしらえってなに?

 よく分からないが、まあ、空腹を満たすだけでも力は増加する。カップ麺とか、エネルギーバーでいいから胃には入れておこう。部屋を出て地下に降りようとリビングの先にある階段へ向かう。

「おっ、と」

 コマとばったり出くわした。キッチンの方から来たから何かを食べたのだろうか。

「さっきは助かった。治癒を掛けてくれたんだろ?」

「そりゃ、あの状態じゃあ、投薬打てんし、下手に運ぶことも出来ないからな」

 あれだけの負傷を負うことは中々出来ない。だが、メイと戦う前に情報を得られたのは有難くはあった。意外にも《分身》という能力は厄介だ。

「昼食、用意したから食べろよ」

「おお! 気ぃ聞く!」

 ササッとリビングへ向かうと、若干不格好なおむすびが置いてあった。

「具は……梅と鮭、それと塩か。すばら……塩からいこう」

 手に取って、頬張る。湯気が立ち込めるおむすびは熱々で米の匂いが食欲をよりそそる。塩気が若干強いが、疲労のせいか丁度いいくらいだ。

「あ、のぅ……」

 後ろから声をかけられて驚いた。おむすびに気を取られていて全く気づかなかった。

「お茶どうぞ」

「ユイか……驚いた。ありがとう」

 直ぐに一個目を食べ終え、次は鮭を食べる。この間の朝食の残りをほぐし身にしたのだろう。

「お味はどうですか?」

「うん、美味しい。塩気ちょっと強いけど、疲れてるからかな……逆に丁度いい」

「……ふぅ、良かった」

 次は梅を食べよう。若干紅く染まった米がこれまた食欲をそそる。

「メイ……は寝てるんだろ。コマが作ったの?」

「はい。えっと、私も、少し手伝いました」

 驚きのあまりゴフッ、と吹き出してしまった。器官に米が入って今世紀一番噎せている。残りのお茶を流し込み、落ち着いてから更に深呼吸。

「お米研いだとか?」

「握りましたよ、失礼な」

 ユイが料理を。

「通りで、少し不格好な訳だ」

「コマの握ったものも不格好です! その評価はあんまり嬉しくありません!」

「いや、申し訳ない。これは、本当に失礼した。うん、すげぇ上手いよ」

「ん……ならいいんですよ」

 危ない。気分を害すところだった。ユイは案外ヘソを曲げると面倒だ。

 この間の《一騎当千》のとき以来、少し元気無かったようにも見えたけど、杞憂だったかな。

「食べ終えたら島に向かってください。リョーはほぼ準備を終えているので。今頃石積みしてるんじゃないでしょうか」

「分かった」

 それから四つほどおむすびを食べ、起きてきたメイと入れ替わるように島へ移動した。

 先程までの銃声響き渡る場所とはうって変わり、しんと静まり返っている。地点Aにいると思ったんだけど、誰もいない。

 通信機をオンにしてユイに話しかける。

「ユイ、ノブとリョーはどこにいる?」

 数秒置いてノイズが入る。

『Cの住居群です』

「あぁ、Dとの境の?」

『そうです』

 今いる地点Aからだと、東側の方。障害物の多いところとなると、リョーのパワーより俺の機動力が活かされる。そこは戦い方にもよるけど、俺が有利になるようには感じる。

 瞬間移動で住宅地まで行ったが、範囲が広い。戸建てが大半だが、団地やアパートもちらほらと点在する。駐車場があまりにも広いスーパーは、ここらでは一番の目印になるとおもったのだが、ノブもリョーもいない。

「どこにいる?」

『ブランコ乗ってるよ』

「一番大きい団地の近くの公園?」

『そうそう』

 現在地からはそこそこの距離がある。いっそ、この場からスタートでもいいかな。

 とは言いつつも、瞬間移動をし公園へ到着する。

「ども、お待たせ」

「ユイ始められるよ」

『ソーヘーの準備はいいんですか?』

「あー、まあ、大丈夫だと思う」

 火柱は手元にはないが、まあ、瞬間移動で手元に持ってこれる。ジャケットの内側のナイフも新調し、投擲に適した薄くて軽い小型の物に変えた物が十本。腰にグロック17とポーチに入った手榴弾が三つと携帯の出来る色々。太腿に付けたサバイバルナイフがある。操作技も使えるし、あの技もある。

『でしたら、始めていきます』

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