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能力者達  作者: 蒼田 天
第三章 十二支決戦篇:上
48/60

対人戦闘訓練、開始(6)

     6


「ソーヘーさんや」

「何だい? ノブさんや」

「ビルからの射撃、あれ直撃してたら死ぬ可能性あったよね?」

「あれは義足狙いだったんだけど、発砲時の反動凄くて、想像以上に軌道がズレた」

「あれは殺し禁止のルールに乗っ取ってない気がする」

「そんな事言ったらノブさんのビル飛ばしは何です?」

「あー、あれは……ソーヘーならイケると思って、いいかなーと」

「全然良くねーよ」

「静かにして下さい! 治療中です! 傷が開きます!」

 確かに途中から殺し禁止ルールのことを半ば忘れていた。

「島の人達はどうしてる?」

「どうでしょう? 私もここで治療している以上モニター見れている訳ではないので」

 そう言うとユイはパットをなんやら操作して、筒型のドローンが到着する。ドローンから電子モニターが表示されそれを見ると、コマはメイに射撃を教わっていて、リョーは石積みをしていた。

「OK、ありがとう」

「はい、あとは三分程待つだけですので。興奮して傷口開かないように」

「分かってるよ」

 苦笑し答えるとユイは片付けを始める。

「惜しかったな」

「あそこで義足が飛んでくるとは思って無かった。完敗だよ」

「あの一瞬でソーヘーの左腕を斬ったのも正直デカかった」

「あー、あれには驚いた。まさかあの後直ぐに反撃が来るとは思ってなかった」

 血を使った闘い方がもう少し上手ければ、打開策があったかもしれない。今後の課題が多く見れた闘いだった。

「次はオレらは少し抑えて戦わないとだな」

「確かに、Anzioで撃ったのは当たり所悪かったら死んでたわ。あとビル」

「ビルは今後封印しますよ」

 身体に力を循環させ、異変が無いか、折れた骨は繋がっているかを確かめてから動く。

「じゃあ先に戻ってる。ノブは義足の調整しないとだろ?」

「そそ、下手したらメンテナンスかも。リョーの時に無茶な使い方したし」

「OK、向こうには伝えておく」

 瞬間移動を発動し、頭の中が歪むような感覚と共に島に着地する。

「ただいま」

「あれ、ノブは?」

「義足の調整。メンテナンス出すかもだって」

「じゃあ、当分無理か。誰か私とやらない?」

「ならば私が相手になろう。何だかんだで今まで闘ったこと無かったな」

 メイとコマか。確かにコマと出会った時はメイは物の相手していたし、今まで闘ったこと無かった。

「ユイ、準備出来てる?」

『え、一時間くらい休みましょう? あまり身体に負荷をかけるのは良くないですよ?』

「確かに、それもそうだけど」

『一度休んでからにしましょう。まだ午後の二時半ですよ? 一日はまだ長いですし、あまり詰め込んでやって疲労が溜まった状態で物達来たらどうするんですか?』

『じゃあ、各自一時間休憩。水分とかちゃんと取っておけよ』

 意外な組み合わせでの闘いを見れると思ったんだけどな。さっきの闘いで力を変に使ったから疲れた。少し寝よう。

「リョー、始まる前に連絡して」

「OK、おやすみ」

「おやすみ」

 俺はビルの影に転がって眠る。

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