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能力者達  作者: 蒼田 天
第二章
29/60

-番外編2- 能力者達の戦い(4)

 結構ギリギリだった。課題過ぎるかな。

 ***


 先程の一悶着があったため、少し気まずい雰囲気の中で、書籍を整理していた。

「ユイはこんな古い本をどこで手に入れた?」

 昔の文豪の書籍が出てきて埃を払い落とす。表紙には細かな傷が点々としていて、だいぶ傷んでいる。それに色褪せていて所々茶色くなっている。

「それは、確かフリマで買ったものだと思います。結構前のことですね」

「フリマ? ネットじゃなくて?」

「はい、そうですが……」

「ユイが外に出て買い物を……」

「なんですか? 私だって外で買い物位します」

 ユイはこの間のリョーの誕生日も、一人で買い物していた位だし、意外とアクティブな所もあるのかもしれない。

「そう言えば、今度、ゲームの新作が出るのですよ。一緒に買いに来てくれませんか?」

「えー、まあいいか」

「ありがとうございます。ではその事に着いては今度」

「了解」

『えー、お取り込み中のところすみません』

「め、メイ!」

『早く作業を終わらせてください。ソーヘー、仕込みの手伝いを頼みたいのだが……』

「うぇ、了解した」

『そっちの作業が終わり次第でいいから、なるべく早く頼む』

 メイは一方的にそう言うと通信を切る。

 ──仕込みか……メイも大変だな。

「では、早く終わらせましょうか」

「そうだな、本が入り切らないから、俺の部屋に本棚があるからそれをやるよ」

「いいんですか?」

「リョーがデカいの作ってくれたからな。一つ余ってるんだ」

「では、遠慮なく頂きます」

 俺は自室へ向かい本棚を取りに行った。

 ──確かクローゼットの中に……。

 俺は本棚を見つけると、そこそこのサイズがあり重量もそれなりの本棚を持ち上げると、ユイの部屋へ戻る。

「あー、ユイ、扉を開けてくれ」

「あ、今開けます」

 ガチャ、という音と共に扉が開き、中からユイが出てくる。

「ああ、結構大きいですね」

「じいちゃんの書斎にあった一番小さいのをパクって来たんだけど、それでも相当デカいんだよ」

「これで一番……書斎なんてあったんですか。羨ましいです」

 確かに、俺も祖父の書斎は居心地がよく、結構足を運んでいた。祖父母の家に行くことがあれば書斎に居たし、祖父母の家で暮らすようになってからもよく書斎には居たことがあった。

「確かに、あの書斎には色々な本があって多分、ユイにとっては面白いんじゃないかな」

「行ってみたいですね」

「来ればばあちゃん喜ぶと思うぞ」

 本棚に書斎を並べていきながら、俺達はそういう会話をする。

 平和だ。こういう日常が続けばとつくづく思う。

「取り敢えず、この位で十分かな」

「そうですね」

 片付いた部屋は、入ってきた時のような空き缶のゴミはなく、床や机に散乱していた本ははなく、本棚に整頓してある。

「それではゲームでもしましょうか」

「済まん、今のメイに逆らったらお墓行きになる」

「ああ、そうでしたね。ではまた後で」

 やらないという選択肢は無く、また後でと言われる。

「時間があったらな」

 俺はそう言うと部屋を出ていった。

 メイお母さんは能力者達全員を尻に敷いているから、しようと思えば世界征服出来るんじゃないか。暇があったらifルートとして書きたい。

 次の投稿は来週、もしかすると再来週になります。蒼田の課題の進み具合にもよりますが。

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