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能力者達  作者: 蒼田 天
第二章
18/60

-番外編- 新メンバーと誕生日(5)

     5


「ただいまー」

「ただいま」

「た、ただ……いま」

「コマ、声がちっちゃいから聞こえないぞー」

 恐らくリビングのソファでふんぞり返っているであろうノブの声がした。

「聞こえているからそういえるんだろ!」

「うわー、こえー」

 靴を脱ぎ廊下を抜ける。

「ノブ、リョーは?」

「彼はバイトだよ。いつも頑張るよねー」

「お前も見習え」

 そういいメイはエプロン姿で後頭部に銃口を向けた。

「いやいや、実弾入ってる実銃を向けるのはダメだって」

 そういいながら苦笑いで手を上げた。

「さて、今日は今月最初の集金だ。ノブ、今月は待ては無しだからな」

「明日渡され……待て待て、分かった渡すから撃たないで」

 朝の様に銃声が轟くのか不安になったが、大丈夫だったようだ。

 渋々といった様子で封筒を手放した。

「いつもいつも、ゲームをするのはいいが少しは節約をしたらどうだ?」

「まあまあ、俺だってゲームだけしてる訳じゃないんだぞ」

「知ってるぞ。公園でサッカーしてるんだろ、賭けで」

 ──ノブって、本当に期待を裏切らない。

 俺はそそくさと部屋へ戻って行くことにした。とばっちりが来たら嫌だし。


 部屋へ戻ると荷物を置き、腰のホルスターから《グロック17》のモデルガンを抜き捨て、荷物の中から本物の《グロック17》を取り出す。

 服を脱ぎスーツに着替える。ジャケットに取り付けた全てのシースからナイフを取り出す。

「刃毀れは大丈夫だな」

 次に愛刀の《火柱》ではなく同じ太刀の《霜柱》を手に取る。最後に打ち粉をしたのは一昨日なので、刀身は美しい鈍色に輝いている。

 火柱に《纏い》の能力がいき、火柱の《使用者》の俺は《熱耐性》や《対寒耐性》はたまた《電流耐性》と耐性のオンパレード。更には《風操作》や《熱操作》、《電気操作》と纏いを使う上で必要な能力を手に入れてしまった訳だ。

 まあ、刀に炎を纏ったら火傷したとか、電気纏ったら感電したとか、それじゃあ能力の意味無いし。

 それでも、刀がなければ多少耐性があるだけで、後は《風操作》の能力を少しだけ使えるだけだ。

「じゃあ、ユイにメッセ送っておいて、行くか」

 ユイには『島へ行ってくるから投薬が必要になるかもしれない』と送っておいた。

 俺は武器を手に部屋を出ると、廊下の突き当たりを左へ曲がった三つ目の部屋へ行く。

 扉をノック。

「コマ、今日もやるぞ」

 中からの返答はない。

「開けるぞー」

 ノブを回そうとするが回らない。

 ──鍵を掛けたか……。

 俺は瞬間移動で部屋の中に入る。

「おい、ノックしてるんだから……」

 俺はそこで絶句してしまった。床に倒れているのはどう見てもコマだった。何故倒れているのかは分からない。可能性としては力の枯渇とか病気か何かとかだろう。

「おい、コマ? 大丈夫か?」

 俺は頬をペチペチと叩くが返答がない。

「息はあるし、心臓も動いてる……力の枯渇だったとしても大事には至らない筈……」

 そこまで考えたところでムクリと起き上がった。

「──ッ! 母様……お爺様……っとソーヘー、何故貴様がここに」

「お前、急に起きて『母様、お爺様』じゃねーよ……こっちは驚いたんだぞ」

 暫しきょとんとし考えを巡らせた後、素早く頭を下げてきた。

「そういうことか……済まない。後、今日は少しアップの時間を長く取って貰えると助かる」

「え、ああ、別にいいけど」

 いつもはそんなものは必要ないというくせに、一体どうしたのやら。

 ──なんか、こいつ変なもの食べた?

 次回は戦闘編になるので投稿まで時間が掛かります。

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