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能力者達  作者: 蒼田 天
第二章
14/60

-番外編- 新メンバーと誕生日(1)

     1


 十二月十日。

 ガチャ。

 玄関から扉が開いた音がする。

 ただいまの声がないから、バイト帰りの不機嫌なメイか、もしくはコマだな。

 パソコンのキーボードを叩きユイにメールを送る。

『今日、ちょっとバイト入ってるから落ちるわ』

 月は過ぎ去り俺が《能力者達》に入ってから半年経っている。時の流れの速さに溜息をこぼす。今年も残すところ二十日となっていた。

『了解ぃ。帰ってきたらもう一回イベ行きましょ?』

 ──めんどくさいなー。

 十二月にはクリスマス、そして大晦日、更に年が明けることもあり、金銭面での助けがいるらしい。

 朝には激怒したメイがノブに銃弾を三発当てている。無論実弾だ。

 という訳でバイトを入れた訳だ。

 だが、バイトは本屋。

 更にこの時間帯は人が少なく、点検等を済ませればレジで本を読んでいても問題ない。

『帰ってきたらちょっとコマと遊ぶから無理。返信してももう家出るから意味無いからな』

 ──送信。

 コンタクトをするのがめんどくさかったので、右目が見えなくていつもより多少不便だが、この生活も十数年、もう十分慣れた。

『ソーヘー、夜は?』

 通信機からユイが問い掛けてくる。夜にゲームをする時間は力を回復する時間に回したい。却下。

「寝ないと力が回復しないから無理ですな」

 食事とかでも増えるけど、寝るのが一番いい。疲れも取れて、力が増える。一石二鳥。

「じゃ、行ってきまーす」

 そして何よりバイトしなければならない一番の理由があった。

 それは二日後に迫ったリョーの誕生日だった。

 ノブの時はゲリラが発生し、重なって物達が出現するという事態になり、それどころでは無かったがユイの時も俺の時も盛大に祝われた。ユイの時は足の骨が折れてたんだっけな。

 ノブはペットボトルのコーヒーを箱でくれて、メイは外国映画のシリーズのBDを全巻くれて、リョーは本棚を、しかも手作りでくれてバイトを紹介してくれたな。ユイはキーボードをくれたな。

 ──みんな、意外と豪勢。

 ユイなんか最新型だったから二万近くは掛かった筈。更に今月の集金は一回五万と少々高め。年末年始のお年玉ゲーム大会をするそうなので、そこでもお金が掛かる。

 ──コマは警察官だからお給料もいいんだろうな。

 バイトの時給は決していいものではないので、何時間も一生懸命働かねばならないが、公務員でしかも警察、しかも巡査部長なコマ。

 きっと給料はいいのだろう。封筒に入ったお金の厚さでどれ位の金額かを考えるのだ。考えるだけでも羨ましい。

 ──さてと、気合い入れていきますか。

 今日は読みたかった小説の最新巻が出るのでバイトは楽しみであった。バイトが終わったら次は客になり、小説を買う時に交代の人にケチを付けてやるのだ。ふはははは。

 二ヶ月程前にバイトに行き、貯めた給料で購入したロードバイクに跨る。

 ペダルに足をかけ、少し力を加えると軽やかな加速。中学生時代、何処へ行くにも使った通称ママチャリといわれるシティサイクルという籠付きの自転車とは大違いだ。

 何回かペダルを漕ぎ足を止めると、冷たいが多少運動し厚着した体には心地いい風が体に当たる。

 ──気持ちいぃ。

 下手したら感情が溜息と共に声になって漏れでていたかもしれない程快適だった。

 これからは、こんな感じで投稿するのでお願いします。

 Twitterの使い方をやっと理解出来るようになってきました。

 次の投稿は一月十二日前後です。

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